「ほっ」と。キャンペーン

牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

単月での経常収支の赤字の影響は限定的か

 財務省は3月8日に1月の国際収支(速報)を発表した。これによると経常収支は、4373億円の赤字となった。単月の経常収支の赤字は、リーマン・ショック後の2009年1月以来となり、単月での経常収支の赤字幅としては過去最大となった。

 これは貿易赤字の増加が影響しており、海外景気の下ぶれ等を受けて輸出減少し、原発事故による影響から液化天然ガスなどの輸入が増えたことで、貿易赤字は1兆3816億円の赤字となったことが大きい。サービス収支も930億円の赤字となっていた。所得収支は1兆1326億円の黒字となったものの、貿易収支の赤字はカバーできず、その結果、経常収支が赤字となった。

 日本の経常収支の赤字転落の縮小傾向は気になるものの、これは一時的との見方も強いことで、それほど気にする必要はないとみられる。以前に経常収支と国債の関係についてみたように、海外諸国の事例を見ても、経常収支と国債需給にそれほど因果関係がなく、経常収支の動向だけを見て、国債市場に大きな影響が出るということは考えづらい。

 国際収支の発表には、付表として対外・対内直接投資、対外・対内証券投資も発表されている。このうち1月の対外・対内証券投資を確認してみたい。

 この中で主要国・地域ソブリン債への対外証券投資を見てみると、米国のソブリン債への投資は、1月はネットで1兆1167億円の取得増となっている。ちなみに昨年12月は4370億円の増加、11月は1兆3887億円の減少、10月は9143億円の増加となっていた。

 ユーロ圏の国債についてみてみると、ドイツのソブリン債への投資はネットで1月は4538億円の増加となった。12月は1162億円の減少、11月は1641億円の増加となっている。

 フランスへのソブリン債の投資を見ると、ネットで1月は1572億円の増加となった。12月は80億円の増加、11月は4880億円の減少となっていた。S&Pは1月13日に、フランスを含むユーロ圏9か国の格付けを一斉に引き下げたが、これによる日本の投資家への影響は限定的であったようである。

 そしてイタリアへのソブリン債の投資については、ネットで1月は664億円の減少となっていた。12月は12億円の増加、11月は5102億円の減少となっていた。S&Pは1月13日に、イタリアの格付けを2段階引き下げたが、やはり影響は限定的であったように思われる。

 これに対して、日本の国債に対する対内証券投資を見てみると、1月はネットで4169億円の増加となっていた。このうち短期債が4447億円の増加。昨年12月はネットで1兆8716億円の増加、このうち短期債が1兆8838億円の増加。11月はネットで2兆2967億円の増加、このうち短期債が2兆9405億円の増加となっていたように、日本の国債に対する対内海外からの投資は、ここにきて減少傾向にある。

 対内証券投資の地域別内訳を見ると、目立つのが英国からの動きである。1月は5兆3758億円の買越しとなり、12月が5兆7121億円の買越し額とそれほど変化はなかった。ちなみに11月は7兆5965億円の増加、10月5兆1453億円増となっていた。

 1月の日本の短期債からの資金流出が大きかったのは米国の1兆2155億円の減少(12月は1305億円減)、フランスの1兆1474億円の減少(12月は9714億円減)、ルクセンブルグ5161億円の減(12月は7905億円減)。

 英国からの日本の短期債への資金流入そのものの勢いはあまり衰えてはいなかったが、米国などからのネットでの売り越しにより、全体では短期債への買越額が減少していた。欧州の信用不安の高まりにより、リスク回避の資金が海外から日本の短期債に流入する動きは、とりあえず今年に入りブレーキが掛かった格好か。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp






[PR]
by nihonkokusai | 2012-03-09 10:24 | 債券市場 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー