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個人向けの復興国債と復興応援国債

 3月1日の10年国債の入札結果を元に、3月5日から3月30日にかけて募集される個人向け復興国債の発行条件が決定された。今回は個人向け復興応援国債も募集されることで、関心も高いものとみられ、ここで条件等を整理してみたい。

 まず個人向け復興国債の発行条件だが、四半期毎に発行される固定利付5年(26回債)のクーポンは年率0.27%(税引後0.216%)となり、前回1月募集の0.33%よりも低くなった。これは2月14日の日銀の追加緩和などにより、中期ゾーンの金利が低下したためである。

 これも四半期毎に発行される変動利付10年(38回債)の初回利子は年率0.64%(税引後 0.512%)となった。10年変動の適用利率は半年毎に見直される。前回1月発行の初回利子は0.72%であり、こちらも前回から低下している。

 ちなみに毎月発行されている固定利付3年の3月募集物(24回債)の利率は年率0.12%(税引後0.096%)となる。

 今回はこれらに加えて、個人向け復興応援国債(801回債)が発行される。個人向け復興国債に「応援」がついただけだが、商品性が異なることに注意が必要となる。

 以前にも紹介したが、復興「応援」国債は変動金利型の10年債であるが、当初3年間の金利は年0.05%(税引後0.04%)と通常の変動金利型より低い変わりに、購入から3年間に中途換金しなければ金額に応じて復興記念の金貨や銀貨がもらえるというものである。4年目からの適用利率は「基準金利×0.66(下限は0.05%)」として通常型の変動利付10年と同じ金利になる。

 いよいよ条件も出揃って、来週5日からの募集開始を待つことになるが、前回1月発行の個人向け復興国債が人気化したことに加え、今回から個人向け復興応援国債の募集も始まることで、その売れ行き動向にも注目が集まりそうである。

 条件そのものは1月発行分に比べて利率は低下しているものの、その要因は日銀が追加緩和を行ったことに加え、物価安定の目処を設定したことも大きい。これは裏を返せば、低金利がかなり長期化する可能性を強めることになり、個人向け国債の利率は預貯金金利と比べれば比較的高いこともあり、この条件がそれほど不利に働くことは考えづらい。

 また、これまで個人向け国債の販売額は設定利率による影響が大きかったとみられたが、個人向け復興国債と名称が変わって販売額が急速に伸びるなど、個人投資家は利率の条件だけでなく、復興支援という意味でも購入意欲を強めている。これは今回も同様であろう。

 今回特に注目されるのは復興応援国債の販売状況であろうか。財務省が2月24日の国債トップリテーラー会議で配布した資料(財務省サイトにアップ)を見ると、興味深いデータがある。「個人向け復興国債の年代別販売状況」というグラフで、10月に募集した60歳代の1件あたりの平均販売額が1千万円に届いていたことである。全体の平均でも10月債は6.3百万円、1月債は5.2百万とあった。

 復興応援国債で復興記念の金貨を1枚入手するには、最低1000万円の復興応援国債を購入し、少なくとも3年間は中途換金をしないことが条件となる。これはなかなかハードルが高いかなと思ったが、データを見る限り、個人向け国債の購入の中心層とみられる60歳代では、それほどハードルが高いとは思えない。あとはプレミアム金貨と利息との比較であろうが、ここにも震災復興のためと購入する個人投資家はいるのではないかと予想される。

 財務省の資料には「個人向け復興国債(1月債及び2月債)販売上位機関」も掲載されていたが、今回も大手証券や都市銀行などを主体に積極的に販売姿勢を強めることも予想される。ここにきて円高の調整が入り、株価も戻しつつあるが、安全資産としての日本国債への個人投資家の投資ニーズはあると見ている。


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by nihonkokusai | 2012-03-03 11:11 | 国債 | Comments(2)
Commented by AE86 at 2012-03-04 07:21 x
「復興国債」と「復興応援国債」。漢字二文字の違いで記念貨幣のおまけが付くかどうかの差がありますね。
混乱しなければ良いのですが・・・
Commented by nihonkokusai at 2012-03-05 06:42
たしかに。
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