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野田首相と白川日銀総裁の差しでの会談の意味

 24日付けの日経新聞によると、野田首相は23日の衆院予算委員会で白川日銀総裁との会談について、「定期的というよりは随時、頻繁に会う」と表明したそうである。そして、記事によると首相と白川総裁は14日の金融政策決定会合の翌日、都内で二人きりで朝食をともにしたという。

 15日の会談については当日にベンダーなどで伝えられていたが、野田首相と白川日銀総裁の二人きりでの朝食であったという点が少し気になった。たとえば、米FRB議長がFOMC後に財務長官ではなく大統領に直接報告をしに行くであろうか。米国と比較するな、と言われそうだが、「14日の決定会合」の翌日に首相が日銀総裁と2人で朝食をともにして、いったい何を話したのか非常に関心がある。

 14日の金融政策決定会合では、中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率として「中長期的な物価安定の目途(Goal)」を示すことにすることを決定し、実質的なインフレ目標を導入した。さらに資産買入等の基金をこれまでの55兆円程度から65兆円程度に10兆円増額することも決定した。これは日銀にとっては大きな政策転換であったと個人的には思っているが、マーケットでもこれが好感され円安株高をさらに進行させることとなった。

 野田氏は首相になる前2010年6月8日から2011年9月2日にかけて財務大臣に就任していた。2008年4月に日銀総裁に就任した白川氏とは、G7やG20などでは当然ながら同席し、旧知の間柄であったはずである。

 ただし、日銀総裁が議員として出席する経済財政諮問会議は政権交代後、凍結状態となり、政府と日銀の意見交換の場は失われていた。これについて首相は、「総裁、副総裁と関係閣僚との会合は定期的にすることも検討したい」と述べる一方で、白川総裁との2人きりの会談に対しては「随時、頻繁」と別に開く考えを示したという(日経新聞)。

 財務大臣などを交えずに、首相と日銀総裁が差しでしかも頻繁に話をするというのは異例ではなかろうか。

 野田首相は、たとえば先月27日の衆院本会議の各党代表質問でデフレ脱却に関し、「日本銀行と一体となって速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組む」と表明するなど、これまでも日銀をかなり意識した発言を行っていた。

 2月14日の日銀によるインフレ目途政策というか実質的なインフレ目標政策の設定とともに追加緩和を行った背景には、政治的な圧力があったのではないかとの見方があった。これについては圧力はさておき、翌日に首相と朝食を2人でとったということは、その報告も兼ねてか、もしくは首相が前日の日銀の動きを評価してのものと考えてもおかしくはないのではなかろうか。

 このようにデフレ脱却に向けて政府と日銀が一丸となって取り組む姿勢は好感されよう。しかも、野田首相ではトップ同士での直談判というか、直接の意見交換を重視する姿勢を示した。これは日本の政治でのやり方としては極めて異例にも感じるが、その効果等を考えれば、方法としては正しいのかもしれない。


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by nihonkokusai | 2012-02-25 08:00 | 日銀 | Comments(0)
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