牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

資産買入等の基金の増額による日銀の国債保有額への影響

 2月14日の日銀の金融政策決定会合では、中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率として「中長期的な物価安定の目途」を示すことにすることを決定した。さらに緩和強化をはかるため、日銀は基金の増額も行った。

 資産買入等の基金をこれまでの55兆円程度から65兆円程度に10兆円増額し、その増額対象は長期国債(期間1~2年)とすることを決定した。資産買入の中での長期国債(期間1~2年)の買入額は従来の9兆円から19兆円に増額される。これにより日銀の国債保有額はさらに増加する。

 日銀券ルールという縛りがある日銀による国債買入は毎月1.8兆円ずつ行われ、年間で21.6兆円の買入が行われている。

 現在、資産買入等の基金の残高は43兆円程度であるため、今回の増額分と併せ2012年末までに残高は22兆円程度増加することになる。資産買入の中での長期国債(期間1~2年)の残高規模は19兆円とする予定だが、2月10日現在の基金国債買入の残高は3.8兆円しかない。

営業毎旬報告(平成24年2月10日現在)
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120210.htm/

 つまり、今年12月末までにあと15.2兆円買い入れる必要があり、およそ毎月1.5兆円規模の買入が行われることになる(今年途中で資産買入等の基金増額があった場合にはさらに増加も)。

 15日の日経新聞には、資産買入基金の増額により、日銀による長期国債の買い入れ額は年間で40兆円規模となるとあったが、これは毎月の通常の国債買入(日銀券ルール縛りあり)1.8兆円と基金による国債買入1.5兆円の3.3兆円を12か月買い入れた場合の合計金額39.6兆円規模を示したものと思われる。40兆円規模となれば、来年度の新規国債の発行額の44.2兆円近くを買い入れる規模となり、発行総額174兆円の23%程度を占めることになる。

 日銀は2010年6月に日銀は包括緩和策を決定し、実質的なゼロ金利政策を再開し、時間軸政策とともに基金オペの実施を決定した。その基金オペ中で、長期国債と国庫短期証券を合計3.5兆円程度買い入れることにしたが、この基金による長期国債の買入は、現行の長期国債買入とは異なる目的のもとで臨時の措置として行うものとし、これにより買入れて保有する長期国債は、日銀券ルールには縛られない国債買入とした。その後、2011年3月に資産買い入れ基金を増額し、その中には長期国債と短国の増額も含まれた。また、8月と10月にも基金の増額を実施した。

 日銀の国債保有額は2011年11月には再び90兆円の大台に乗せていたが、直近では83兆円規模となっている。今回の日銀による資産買入基金の増額により、日銀保有の国債残高はさらに増加し、いずれ2004年3月以来の100兆円台に乗せることも予想される。昨年は海外投資家による国債保有が増加していたが、今後さらに日銀による国債保有の増加が見込まれ、国債市場ではさらに需給面で好条件が加わることになる。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-02-16 08:18 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31