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日米欧の預金増などによる国債への影響

 2月12日の日経新聞によると、日米欧の現預金の残高は昨年9月末で2500兆円と過去最大規模になったそうである。これは日米欧の各中央銀行がまとめた統計で、家計と企業の現預金を現在の為替レートで計算すると、日本が1030兆円、米国が750兆円、ユーロ圏が740兆円となり、日米欧の合計で1年間で4%、2007年末で比べると1割増えたそうである。特に家計部門で、株式などから安全性の高い現預金に資産を移す動きが、日米欧で加速しているという。そして、預金は増えても貸出は伸びず、日本の金融機関の昨年10~12月期の貸出は前年比0.2%の伸びにとどまり、欧州でもドイツを中心に貸出が伸び悩んでいるという。

 日本ではデフレなどの要因で、貸出が抑制され伸び悩み、個人や企業からの預金増により、預金残高から貸出残高を差し引いたいわゆる「預貸ギャップ」が拡大している。日本と同様に米国でも銀行の預金は貸し出しを上回る状態となっており、それは昨年の段階ですでに過去最高に達していたようである。

 銀行の預貸ギャップの拡大は、国債投資を促すこととなり、その結果、米国債やドイツ連邦債が買われ、それぞれ10年債利回りが2%を割り込む要因となった。同様に日本国債も買われた結果、日本の10年国債利回りも1%割れで推移している。

 さらにECB、そして日銀もそれぞれ国債買入を行っていることで、さらに国債の需給はタイトとなり、FRBもツイストオペなどが長期金利の低下圧力を強める要因となっている。

 FRBは超低金利政策を、これまで公表してきた来年の半ばから1年余り先延ばしし、少なくとも2014年の遅い時期まで続ける方針を示しており、それも米国債の低下圧力を促している。日銀も包括緩和政策により時間軸強化を進め、現在のデフレの状況に変化がない限りは超低金利政策が続けられると予想され、これも日本の中短期から長期の金利低下を促す要因ともなっている。

 13日にギリシャ議会は緊縮関連法案を可決し、大きなヤマ場は超えた。欧州の信用不安は今後、少しずつでも後退してくる可能性がある。昨年の欧州の債務危機の状況から見て、今年はだいぶ懸念が後退したように思われる。しかしそれでも米国債や、ドイツ国債、さらに日本国債の利回り上昇は限定的となっている。その背景にはこの預貸ギャップや中央銀行の政策が大きく影響していると思われる。


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by nihonkokusai | 2012-02-14 09:50 | 国債 | Comments(0)
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