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来週の決定会合で日銀は動くのか

 1月25日のFOMCで、FRBは物価に対して特定の長期的な目標(ゴール)を置くこととし、それをPCEの物価指数(PCEデフレーター)の2%とした。また、「異例に低いFF誘導水準の維持が2014年後半まで続く事が正当化されるとFOMCは予想している」とした。つまり、事実上のゼロ金利政策を解除する時期を、これまで公表してきた来年の半ばから1年余り先延ばしし、少なくとも2014年の遅い時期まで続ける方針を示したのである。

 2月9日のイングランド銀行のMPCでは、資産買い取りプログラムの規模を500億ポンド拡大することを決めた。その際に購入対象となる償還期限を変更し、従来よりも3~7年物の購入を増やすことにした。

 2月9日のECB理事会では政策金利は据え置かれたが、今月の3年物資金供給オペで、7か国の中銀が受け入れ担保の基準を引き下げることを明らかにした。

 そして2月13日から14日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。

 9日にギリシャ政府と連立与党はEUやIMFが次期金融支援の条件として求めている緊縮策を受け入れることで合意し、ギリシャが債務不履行に陥るという最悪の事態は回避される公算が強まった。

 これを受けて、9日の欧米の外為市場では主要通貨に対してユーロが急伸し、ユーロ円は103円台をつけ、円はドルに対しても売られドル円は77円60銭台をつけるなど円安が進んだ。ここにきての東京株式市場は、米株の堅調さや円安などを背景に買い進まれ、日経平均は一時9000円台を回復した。

 足下の動きを見る限り、欧州の信用不安は後退し、その結果として円安株高ともなり、日銀が追加緩和を行うというような環境にはない。しかし、日銀としても次回会合で何もなし、という状況でもなさそうである。

 10日の読売新聞にもあったが、与党内での日銀への追加緩和圧力が強まっているという。この与党内というのはどのような人達を示すのかは定かではないが、いわゆるリフレ派と呼ばれる人達だけというわけでもなさそうである。

 9日の衆院予算委員会で野田総理は、名目3%、実質2%という成長率目標の達成に向けて、日銀と問題意識を固く共有していきたいと述べ、また、民主党の前原誠司政調会長は、金融緩和が必要だとして、資産買入基金の拡大を求めたそうである。

 さらに米国が2%というインフレ目標値を置いたことで、日銀の「物価安定の理解」が具体性に欠けている上に、その中心値が1%程度となっており、欧米の中銀の目標とされる数字と乖離している点なども指摘されている。

 ちなみに日銀は、中長期的な物価安定の理解、つまり消費者物価指数の前年比で 2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度、に基づき、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく方針を打ち出しているが、この数字は毎年4月に点検される。

 前回の日銀の決定会合以降、FRB、BOE、ECBそれぞれが動きを示している以上、13日から14日にかけての決定会合で日銀は何もせず、ゼロ回答というわけにも行かないのかもしれない。日銀が動かないことで、再度円安になるのかどうかはさておき、また、基金の増額などの追加緩和についてもカードは温存すべきと思う。ただし、物価安定の理解などに対しては、わかりやすさを重視するためにもう一工夫するなどの対応を行っても良いのではないかと思う。


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by nihonkokusai | 2012-02-11 08:17 | 日銀 | Comments(0)
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