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日本の債務残高はいくらなのか

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 財務省は政府の債務残高としていくつかの集計を出している。これは大きく4つに分けられ、「国と地方の公債等残高」、「国と地方の長期債務残高」、「国債及び借入金残高」、そして「一般政府総債務」がある。

 その前に日本の国債残高については「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」という集計が、このなかの内国債のうちの「普通国債(2011年度末見込み667兆円)」がそれにあたる。ちなみに現在、外貨建ての日本国債は発行されておらず、また残高もないためすべて内国債である。

 この「普通国債」とは建設公債と特例公債(赤字国債)の残高である。つまり財投債は含まれない。また、借換債は元々は建設公債と特例公債の借換であるため、借換債という区分はない。また集計上、交付国債などは「借入金、交付国債等」として借入金等に含まれる。財投債についても償還が主として税財源により賄われる債務ではなく、またこれは政府短期証券も同様であるため、それぞれ普通国債とは区分されている。

 「国と地方の公債等残高(2011年度末見込み859兆円)」とは、「普通国債(同667兆円)」に借入金として「一般会計借入金(同15兆円)」と「交付税特会借入金(同34兆円)」を加え、さらに地方債残高(同141兆円)を加えたとなる。これは、一般的な政策経費や税収等に連動する国・地方の債務を集計したものであり、財政運営戦略の残高目標として用いられている指標である。これは内閣府計量分析室が出している。

 そして「国と地方の長期債務残高(同894兆円)」とは、国と地方の債務をはっきりさせるため、交付税特会借入金を地方債務(同201兆円)に組み入れ、国の借入金とは区別し集計している。ここに「普通国債(同667兆円)」と「借入金等(同26兆円)」を加えたものである。これは利払・償還財源が主として税財源により賄われる長期債務を国・地方の双方について集計したものである。資金繰りのための短期の債務や貸付先からの回収金により、利払い・償還を行う財投債は含まれない。日本政府の債務としては、良くこの数値が主に用いられる。政府債務とはそもそも徴税権を担保とした債務であると捉えれば、国だけでなく地方も含めたこの数値が該当しよう。これは財務省主計局調査課が出している。

 しかし、国の資金調達活動の全体像を見るためとして、別の集計が存在する。財政法28条に、国会に提出する予算には、参考のために左の書類を添附しなければならないとあり、この中に「国債及び借入金の状況に関する前前年度末における実績並びに前年度末及び当該年度末における現在高の見込及びその償還年次表に関する調書」がある。この財政法第28条に基づき、国債及び借入金の状況に関する残高を算出したものが、「国債及び借入金残高(同996兆円)」となる。これは国による債務、つまり国債と借入金(交付税特会借入金を含む)残高である。「普通国債(同667兆円)」と「借入金等(同59兆円)」に、ここには財投債(同114兆円)と政府短期証券(同156兆円)が加わり、合計996兆円となる。これは財務省理財局国債企画課が出している。

 一部報道によると、財務省が1月26日公表した2012年度一般会計予算の関連資料によると、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高が2012年度末で1085兆5072億円となったと報じられたが、それはこの国債と借入金残高の最新データであるとみられる。ちなみにこの記事によると2011年度末の段階では985兆3586億円となる見込みとあった。

 そして、「一般政府総債務(同1024兆円)」とは、経済の実態把握及び国際比較に資するため、世界共通の基準(SNA)に基づき、一般政府(中央政府、地方政府及び社会保障基金)の金融負債残高を体系的に集計したもので、国債(割引短期国債除く)が559兆円、交付税特会の借入金34兆円を含む借入金等が63兆円、国庫短期証券(割引短期国債44兆円を含む)が149兆円、独法等債務54兆円、地方政府債務183兆円、社会保障基金債務15兆円で、合計が1024兆円となる。ただし、これは2009年度末の実績の数値である。こちらは内閣府経済社会総合研究所が出している。

 いずれにしても、国の債務としてのとらえ方はいろいろとあるが、すでに日本の借金は1000兆円規模であるということに変わりはない。


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by nihonkokusai | 2012-01-29 10:34 | 国債 | Comments(0)
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