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日銀の白川総裁の会見から見たFRBの新たな枠組みなど

 25日の金融政策決定会合後に行われた白川総裁の会見内容が、日銀のサイトにアップされており、今回のFRBによるあらたな枠組みに関する部分への発言などを中心に見て行きたい。ちなみに総裁の会見時点では、当然ながらFOMCの声明文は発表されてはいないが、ある程度の内容は掴んでいた可能性はあると思われる。

 総裁は、中央銀行が情報発信を通じて金融政策の透明性を高める重要性について、独立性を与えられている中央銀行は国民あるいは市場参加者への説明責任を果たす必要があること、金融市場における期待の安定を通じて、金融政策の有効性を高めることにつながることを挙げている。

 ただし、具体的にはどのような情報発信が真に政策の透明性や有効性の向上につながるかは、経済や金融市場の状況、制度的・歴史的な背景などにより、国によって様々であるとし、日銀も様々な手段で金融政策の透明性向上に努めているとして、以下の発言があった。

 「そうした中で、政策金利を巡る時間軸に関しては、日本銀行は「中長期的な物価安定の理解」──つまり消費者物価指数の前年比で 2%以下のプラスの領域にあり、中心は 1%程度──に基づき、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく方針を明らかにしています。」

 今回、FRBが物価目標を設定するかまで白川総裁が掴んでいたかどうかはさておき、今回、FRBがやろうとしていることは、国によって形式に違いはあれど、日銀がこれまで行ってきたものとそれほど大きな違いはないと見ているようである。これは次のような発言からも伺える。

 「ご質問は、FRBの新しい方式をどのように評価するかということも含んでいましたが、今申し上げたように、各国の中央銀行は、それぞれが置かれた環境の中で最適な方法を模索していますので、私がFRBの新しい方法について論評することは差し控えたいと思います。日本銀行としては、私どもが現在行っている説明の仕方、コミュニケーションの方法が、金融政策の透明性や有効性の観点から最も適切であると考えています。」

 また、今回の会見では、欧州の問題について、下記のようなコメントもあった。

 「欧州各国の国債を多く保有する欧州の金融機関では、資金調達面での不安などから、資産圧縮――いわゆるデレバレッジング――の動きが強まり、金融面からの下押し圧力が高まるリスクもあります。また、こうした欧州の金融機関のデレバレッジングの影響は、グローバルに波及する可能性もあります。」

 念のため、デレバレッジング(deleveraging)とは、Leverageに接頭語Deを付けた造語で、資産もしくは負債の圧縮のことを指す。銀行などが投資していた資金を回収し自己資本比率を高めることである。

 現状では欧州の銀行によるデレバレッジングは、新興国経済などへの大きな下押し要因となってはいないが、現在、ギリシャに対する債務交換協議が続けられており、その結果次第では、デレバレッジングの動きが強まる懸念はある。

 「特に欧州勢が高いシェアを持つ中東欧向けに加え、アジアなど他の地域向けでも、同じくプレゼンスの大きい貿易金融などの分野において、今後、デレバレッジングによるマイナス面が生じないかどうか、注意してみていく必要があると考えています。」

 そして、欧州の信用問題に関するIMFの役割として次のような指摘もあった。

 「IMFは2つの重要な役割を果たし得ると考えています。1つは、スタンドバイと呼ばれる資金融資や、FCL(フレキシブル・クレジット・ライン)などの融資枠の設定を通じて、当該国の資金繰りを安定させ、市場からの信認の維持・回復を支援することです。2つ目は、IMFの持っているサーベイランス機能を活用し、資金支援の際に事前・事後に設定される条件、いわゆるコンディショナリティの遵守を支援国に求めることを通じて、財政再建や構造改革の実施に向けた規律付けを行うことです。」

 このあたり少しわかりづらかったので、用語を含めて少し調べてみたところ、スタンドバイ・クレジット・ファシリティー(SCF)とは、短期的な国際収支上のニーズを抱える低所得国へ金融支援であり、フレキシブル・クレジットライン(FCL)とは、段階的という形をとらないで融資を実効する危機予防制度で、同制度の承認を得られたならば、融資条件に縛られることはないそうである。また、IMFによる融資を受ける場合に、当該国政府はその経済・財務政策の遂行を約束しなければならず、これがコンディショナリティといわれる制約条件である(以上、IMFのサイトより)。

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by nihonkokusai | 2012-01-28 09:35 | 日銀 | Comments(0)
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