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デジタル化している日銀の金融政策

 23日から24日にかけて今年最初の日銀金融政策決定会合が開催される。金融政策については、全員一致での現状維持となることが予想されているが、ここで昨年一年間の金融政策決定会合の様子を確認してみたい。

 2011年1月25日の金融政策決定会合は全員一致での現状維持。2月15日も全員一致での現状維持。

 震災後の3月14日から15日にかけて開催予定の日銀の金融政策決定会合は14日のみの開催とし、政策金利は据え置きとなったが、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し40兆円程度とした。これについては須田委員が資産買入等の基金の買入増額対象資産をすべてリスク性資産とするべきとの理由から反対した。

 4月7日の会合は全員一致での現状維持、そして4月28日の会合では西村委員が資産買入等の基金を5兆円程度増額し、45兆円程度とする議案が提出されたが、賛成は西村委員だけで反対多数で否決された。そして、政策金利については全員一致での現状維持となった。

 5月20日の会合も全員一致での現状維持、6月14日も全員一致で現状維持となったが、成長基盤強化支援資金供給における新たな貸付枠の設定を決定した。7月12日の会合も全員一致での現状維持。

 8月4日の会合では資産買入等の基金を40兆円程度から50兆円程度に10兆円程度増額することを全員一致で決定、政策金利の据え置きも全員一致で決定した。

 9月7日、10月7日それぞれ全員一致での現状維持。

 10月27日に資産買入等の基金を50兆円程度から55兆円程度に5兆円程度増額することを8対1の賛成多数で決定した。反対したのは宮尾委員。この宮尾委員から、資産買入等の基金を10兆円程度増額し60兆円程度とする議案が提出され、反対多数で否決された。政策金利については全員一致での現状維持。

 11月16日、11月30日、12月21日のそれぞれの会合は全員一致での現状維持となった。

 現在、日銀は包括緩和政策を行っており、緩和策としては資産買入等の基金の買入増額が中心となる。欧州の信用不安やその影響も受けての円高、株安の進行等もあり、またデフレが解消される兆しも見えない中、金融政策については現状維持か緩和策としての基金の買入増額かの選択となっていた。

 3月の震災を受けての資産買入等の基金の買入増額については、予測しえない事態に対応したもので、この際に須田委員がリスク資産の買入を増やすべしとした反対意見も理解できる。しかし、その後の反対意見はなぜか中途半端なものに見受けられる。

 4月7日は現状維持に賛成していた西村副総裁が28日に追加緩和を求めたが、この一回限りであった。

 10月27日にはより積極的な基金の増額を宮尾委員が求めたが、その後の会合では、現状維持に対して特に反対をしているわけではない。

 8月と10月の会合ではそれぞれ基金の増額を決定してはいるが、その前の会合で特に追加緩和を求めた委員がいたわけでもない。

 つまり昨年の日銀の金融政策を見ると、まるでデジタル化しており、金融政策の変更だけでみるといきなりのオンかオフかの選択しかない。本来であれば基金の増額を決定した前の会合で、基金の増額の可能性を委員がまったく想定していないとは思えない。一人か二人の委員が基金増額を求めるなどしていれば、ややアナログ的な金融政策になりうるが、そういった気配を見せてはいなかった。

 ただし、現在のところは前回の会合ではではないが、事前にマスコミなどを通じて市場も織り込むことで影響も限られてはいる。それでも昨年の金融政策の変遷を見る限り、いきなり物事が決定されているような感じを受けなくもない。このあたりは、全員一致が続いていることの弊害とも言えまいか。

 市場との対話を進める上でも、デジタル化した金融政策よりも、アナログ的な金融政策のほうがわかりやすいと思われる。

 こんな例えはどうかと思うが、特撮のウルトラマンシリーズで人気が高いものは、地球を守る隊員達の個性が表面化したものが多かったように思う。日銀が人気取りに走る必要はないが、隊員ではなく委員の個性というか、それぞれの考え方の違いがもう少し決定会合の結果にも反映されても良いのではないかと思う。そうすれば、決定会合への注目度も多少なり増すのではないかと思われる。


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by nihonkokusai | 2012-01-24 08:34 | 日銀 | Comments(0)
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