牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

S&Pによるユーロ圏9か国の格下げの影響

 格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)は13日に、ユーロ圏9か国の格付けを一斉に引き下げた。それぞれの変更された格付けを確認してみたい。

フランス、AAA/Watch Neg →  AA+/Negative
オーストリア、AAA/Watch Neg →  AA+/Negative
スロベニア、AA-/Watch Neg →  A+/Negative
スロバキア、A+/Watch Neg →  A/Stable
スペイン、AA-/Watch Neg →  A/Negative
マルタ、A/Watch Neg →  A-/Negative
イタリア、A/Watch Neg →  BBB+/Negative
キプロス、BBB/Watch Neg →  BB+/Negative
ポルトガル、BBB-/Watch Neg →  BB/Negative

参考、S&Pの格付け記号(高い順)
(投資適格)AAA、AA+、AA、AA-、A+、A、 A-、BBB+、BBB、BBB-、(投機的)BB+、BB、BB-、B+、B、B-、CCC+、CCC、CCC-、CC、C、D

 上記のようにフランス、オーストリア、マルタ、スロバキア、スロベニアの5か国がそれぞれ1段階引き下げられた。また、ポルトガル、イタリア、スペイン、キプロスの4か国は2段階の引き下げとなった。また、欧州16か国のうち、その他7か国の格付けも再確認し、ドイツとスロバキアを除くすべての格付け見通しを「ネガティブ」としている。

 ちなみにS&Pのサイトから、現時点での最上位格付け(AAA)の国をピックアップしてみると、英国、オーストラリア、オランダ、カナダ、シンガポール、スイス、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、香港、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクとなった。

 今回の格下げでフランスとオーストリアは最上位格付けを失った。また、フィンランドとルクセンブルク、オランダの格付け見通しは「ネガティブ」となっており、ユーロ圏で安定的とされているのはドイツだけとなる。フランスの格下げにより世界の国債などの公共債に占めるトリプルAの割合はさらに減少し、S&Pの中でのトリプルAの国債はレッドデータブック入り(絶滅危惧種?)となりそうである。

 先月にS&Pはフランスを含めたユーロ圏各国の国債の格付けを引き下げる方向で見直すと発表しており、今回の格下げ発表は時間の問題とはみられていたが、ここにきてスペインなどの国債入札が順調であったことなどから、ユーロ圏の信用不安がやや後退しつつあっただけに、13日のユーロ圏の債券市場ではフランスやイタリアの国債利回りが大きく上昇し、外為市場ではユーロが下落した。

 今回の格下げにより、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)も格下げされる懸念があるとともに、欧州の銀行なども格下げされる可能性もあり、それによる影響なども考慮しておく必要もある。また、4月のフランス大統領選挙にも影響が及ぶのではないかとの観測も出ているようである。しかし、ある程度、想定されていた格下げでもあっただけに、これによるショックは一時的なものとなる可能性もあり、今後のユーロ圏の金融市場の動向に注意しておきたい。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp





[PR]
by nihonkokusai | 2012-01-14 11:45 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31