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今年のFOMCの新メンバーとFF金利誘導目標予想の開始の影響

 本年もよろしくお願いいたします。

 1月3日に公表された米国のFOMC議事要旨(12月13日開催分)によると、1月24日から25日にかけて開催される今年最初の会合でフェデラルファンド(FF金利)誘導目標に関するそれぞれの予想が初めて公表されるそうである。

 最初に2012年のFOMCの開催予定日をFRBのサイトから確認したい。2012年は1月24日~25日、3月13日、4月24日~25日、6月19~20日、7月31日、9月12日、10月23~24日、12月11日が開催予定日となっている。

 FOMCにおいて投票権を持つメンバーは、理事会からの7名の理事全員と地区連銀から5名の連銀総裁の12名によって構成される。地区連銀についてはニューヨーク連銀総裁は常に参加するが、他の11の連銀についてはそのうち4名が参加することで、投票権を持つメンバーが毎年入れ替わる仕組みになっている。

 理事会からはバーナンキ議長、イエレン副議長、デューク理事、ラスキン理事、タルーロ理事の5名が参加する。

 12月27日にオバマ大統領は、空席となっているFRB理事に、ハーバード大教授のジェレミー・スタイン氏と、プライベートエクイティの元幹部ジェローム・パウエル氏を指名すると発表した。両氏の指名が議会で承認されれば、2006年4月以来初めて理事7名の全ポストが埋まる。デューク理事の任期は今月末で切れるが、後任が承認されるまで職務を継続することが可能となっているようである。

 連銀からのメンバーにはニューヨーク連銀に加え、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ連銀が加わる。つまり今月のFOMCからはニューヨーク連銀のダドリー総裁とともに、クリーブランドのピアナルト総裁、リッチモンドのラッカー総裁、アトランタのロックハート総裁、サンフランシスコのウィリアム総裁が加わる。

 タカ派とされるラッカー総裁以外は、中立からハト派と認識されているようであるが、このメンバー交代がFRB金融政策に及ぼす影響は限定的とみられる。

 そして1月3日に公表された米国のFOMC議事要旨によると、1月24日から25日の今年最初の会合では2012年、向こう数年間、さらに長期に分けてFF金利誘導目標の予想を示すことが明らかになった。さらにFF金利誘導目標を引き上げるタイミングに関する見通しも示すそうである。

 これは金融政策の透明性の拡大をはかったものと思われる。景気や物価の予想に合わせて、金融政策そのものの予想があってもおかしくはないが、それを市場参加者などはどのように捉えるのであろうか。あくまで金融政策の予想は、FRBの景気や物価の予想を基にしての市場参加者の予想に任せたほうが良いのではなかろうか。

 金融政策を変更する際、引き締めの際は市場への影響を抑えるため、それを事前に織り込ませることも必要であり、その意味ではFF金利誘導目標の予想は効果的かもしれない。しかし、緩和時においてはサプライズ効果も必要とされることもあろう。また、自らの予想に縛られてしまうような懸念もないとは言えないのではなかろうか。

 中央銀行の金融政策には市場との対話もたいへん重要である。しかし、金融政策の予想まで、その政策決定者が予想して正式に発表するということは、対話というよりも予想の押しつけともなりかねない。金融市場を取り巻く環境は大きく変化することもありうることで、市場が判断する余地をある程度与えておくことも、むしろ必要ではないかと思われるのである。


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by nihonkokusai | 2012-01-05 08:57 | 中央銀行 | Comments(0)
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