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震災直後を除き比較的動きが鈍かった2011年前半の国債市場

 2011年は東日本大震災、それによる福島原発事故などが起きたが、日本の債券相場そのものの動きは鈍く、これを見る限り、今年の債券相場はあまり印象には残らないかもしれない。

 とはいうものの、時期的にもそろそろ、債券先物の中心限月のチャートを見ながら今年の債券相場を振り返ってみたい。

 一見してわかるのは、震災直後にやや乱高下はあったものの、それ以外にはさほど大きな動きはなく、先物の値幅も昨年11月から12月にかけて相場が急落した際の値幅の中に収まってしまっているということであった。

 今年の債券先物は140円70銭で、10年債利回りは1.150%近辺での出合いでのスタートとなった。その後、米国経済の回復期待の高まりや米国債の入札が低調な結果となるなどしたことで、2月に入り米10年債利回りは3.7%台に上昇した。これを受けて2月9日に日本の債券先物は138円32銭まで下落し、10年債利回りも1.350%まで上昇した。1月27日に格付け会社のS&Pは日本国債の格付けを、AAからAA-に一段階引き下げたがこれによる影響は限定的であった。

 その後、エジプトやリビアでの政情不安の強まりなどにより、中東の地政学的リスクとともに、原油価格の上昇による景気への悪影響なども意識され、債券は買戻し圧力を強めた結果、先物は2月末から3月上旬にかけて140円近くまで上昇し、10年債利回りも1.3%割れとなった。

 3月11日の引け際の14時46分に巨大地震が発生した。のちに東日本大震災と名付けられたこの地震の影響で、中心限月が6月限に変わったばかりの債券先物は139円90銭まで急騰し、その後戻り売りに押され大引けは139円20銭と乱高下した。10年債利回りは1.2%台半ばあたりまで低下した。

 東日本大震災を受けて週明けの3月14日に、日銀は15兆円に達する積極的な資金供給を実施し、これを受けて債券先物は140円台に乗せ、10年債利回りは1.2%割れとなった。

 3月17日にドル円は一時76円台をつけ、史上最高値を更新。株安から債券先物は140円36銭まで上昇するが、その後株が戻し債券先物は139円70銭で引けるなど、やや波乱含みの展開に。18日には日米欧の金融当局が日本の要請に基づき協調介入に参加で合意し、介入が実施された結果、ドル円は79円台から一気に81円台をつけ、ユーロ円も111円台から114円近辺に跳ね上がった。

 ECBの利上げ観測に加え、FRBの出口政策が意識され米債が再び下落し、震災復興のための国債増発は避けられないものとの認識も強まり、4月に入り債券先物は139円割れとなった。8日には138円38銭まで下落し、10年債利回りも1.3%台に上昇した。しかし、ここがボトムとなり、その後債券相場は切り返した。

 債券先物中心限月のチャート(前後場のみ)を見ると、2月9日の138円32銭と4月8日の138円38銭がいわゆるダブルボトムとなったのである。

 債券相場はその後、5月上旬に向けて上昇相場となった。4月15日に格付け会社のムーディーズはアイルランドの格付けを2段階引下げ、ギリシャの債務再編の話も出てくるなど欧州の債務問題により、質への逃避の動きが強まった。米国債は4月上旬あたりからの上昇トレンドが継続し、日本の債券も同様に上昇基調が続き、債券先物は4月28日に140円台を回復し、10年債利回りは1.2%近辺に低下した。

 米国経済については一時の楽観的な見方は後退し、景気減速が意識された上に、ギリシャがユーロ圏を離脱するのではないかとの観測報道もあり、5月の大型連休の間に上昇基調を強めた結果、債券先物は141円近く、そして10年債利回りは1.1%近くまで利回りが低下した。

 6月2日に内閣不信任案の採決が行われたが、菅総理が第二次補正予算などに一定の目処をつけた段階での辞意表明を受けて、民主党の分裂が回避され、不信任案は否決された。これが好感されこの日の債券先物は141円台に乗せてきた。

 その後、ギリシャの債務問題が深刻化するとともに、日本の震災などの影響から米国経済に対して減速懸念も強まり、それが欧州経済にも影響を与える懸念もあり、米債やドイツ連邦債の利回りは低下した。これを受けて円債も買われ、6月24日に10年債利回りは節目とみられた1.1%を割り込み、債券先物も6月28日に141円63銭まで買い進まれたのである(後半に続く)。


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by nihonkokusai | 2011-12-28 09:42 | 債券市場 | Comments(0)
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