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ドイツ国債下落による日本国債への影響

 23日のドイツの10年債入札における札割れをきっかけに、ユーロ圏内の国債の中で最後の砦となっていたドイツ国債まで下落し、24日にドイツ10年債利回りは2.2%近辺に上昇した。

 ドイツ国債だけでなく、ドイツと同様に最上位格付けのフランスやフィンランド、オランダの国債も下落しており、欧州の信用不安が周辺国から中核国まで拡がりを見せた格好である。

 24日の日本の債券市場では朝方は買いが先行し143円06銭で寄り付いたものの、143円07銭を高値に下落基調となり、大引けは142円80銭となった。さらにこの日のイブニング・セッションでは142円46銭まで売られ、10年債利回りも0.995%と1%に接近した。25日に債券先物は142円13銭まで、10年債利回りは1%台に乗せ1.030%まで利回りが上昇した。

 格付会社S&Pのアナリストから、日本の財政健全化の取り組みについて、何も進まなければ、どんどん状態は悪くなるとの発言があり、日本国債の格下げも懸念された。またIMFが、日本の国債利回りが突然急上昇するリスクがあり、債務水準が維持不可能になる可能性があると指摘したことも影響した可能性がある。

 ただし、格付け会社による日本国債の格下げはこれまで相場にはほとんど影響を与えてこなかったことを考えれば、やや過剰反応したとも言える。また、IMFの報告書もあくまで可能性があることを指摘しただけで、そのような兆候があるわけではない。

 しかし、今回のドイツのように、札割れそのものは珍しいものではなにもかかわらず、これだけ反応したのは、不足額の大きさとともにドイツ国債が売られやすい地合になっていたためと思われる。

 ギリシャを発端としてアイルランド、ポルトガルからスペイン、イタリアに及んだユーロ圏の信用不安はフランスにも波及していた。ギリシャ、イタリア、そしてスペインで首相が変わるような事態となったが、債務問題解決に向けた糸口はつかみ切れていない。

 ユーロ共同債の発行やECBの機能強化についても、ドイツとフランスの考え方が異なり、なかなか決定打が見いだせない。しかし、いずれにしても中核をなすドイツがユーロを離脱するようなことがなければ、ユーロ共同債の発行などの対策を行うしかないとみられ、それは結果としてドイツの負担を大きくさせ財政そのものを圧迫させることになろう。

 このため、今回のドイツを含めた高格付け国の国債の下落については、まだ始まったばかりとの見方もできよう。特にドイツ国債の2.2%近辺はチャート上でもひとつの節目ともなっており、ここを大きく超えてくるようだと3%台にむけて上昇してくる可能性がある。

 このようにドイツ国債の下落が仮に続くようであれば、日本国債に対し安全資産として買いが継続するかどうかは不透明となる。安全資産として英国債や米国債などは買われても、日本国債に関してはやはりその巨額債務が大きな不安要素になりうる。

 野田政権は消費増税を国際公約とするなど財政再建を重視しているが、民主党内部から消費増税に反対する声が上がるなど、財政再建に向けた動きはあまりにゆっくりとしている。しかしその間、債務は膨れあがる一方である。

 今回のドイツのように何かしらのきっかけで相場が反転してくる可能性はある。欧州の信用不安が強まる中、市場が神経質になっているときなど通常は反応しないようなことに大きく反応してくる可能性もある。

 ただし、このまま日本国債が暴落するようなことは考えづらい。これまで堅調地合が長くつづいていただけに、あくまで一時的な調整局面とみてよいのではなかろうか。チャートを見ると債券先物は142円が大きな壁となる。もしここを下回るようなことになれば、オプションなども絡んで比較的大きな調整となる可能性はある。しかし、それで日本国債が危ないと結論づけるのは、早計であろう。


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by nihonkokusai | 2011-11-26 09:05 | 国債 | Comments(0)
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