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ドイツ国債入札での札割れの影響

 ドイツ政府が23日に実施した10年物国債の入札は、発行予定額の60億ユーロに対して、応札額は36億4400万ユーロにとどまり、札割れとなった。

 ドイツ国債の入札に参加できるのは一定の落札シェアという条件を満たし、入札への参加を希望する金融機関等でオークション・グループと呼ばれている。1990年にそれまでの全額引受シンジケート団による発行からシ団と入札の併用となり、1998年からは全額入札による発行となっている。

 ただし、ドイツでは入札予定に届かなかった金額分の国債は、いったん政府が保有し、それを7つある証券取引所で売却する場合にはドイツ連銀が、そして電子取引プラットフォームで売却する際にはドイツ国債会社(German Finance Agency)が行う格好となる。したがって流通市場で売却したのち国庫にお金が入る仕組みとなっているそうである。

 日本の10年国債で札割れが発生したのは2002年9月20日である。ちなみにこの日は拙著「日本国債は危なくない」の発売日でもあった。入札予定額の1兆3500億円に対して応募額が1兆1852億円と札割れとなり、足りない部分は国債引受シンジケート団でのシェア割となった。

 ここで注意すべきは、今回のドイツや2002年当時の日本の10年債入札では、発行予定額に足りない分はドイツ政府なりシ団なりが引き受ける格好となっていたため、未達という言葉は使われない。ただし、すでにシ団が廃止された日本において、同じ10年国債の入札で、もし予定発行額まで応札額が届かなければ、それは未達ということになる。

 ドイツのオークション・グループの制度では、応札義務として年間(歴年)の発行額に対して0.05%以上の落札シェアとなっており、日本や米国などに比べてハードルは低く、比較的札割れそのものは発生しやすい。このため、札割れそのものは珍しいものではないにしろ、今回足りなかった割合が39%とかなり高くなっていることが、市場では嫌気されたようである。

 金融機関などによる応札が低調だったのは、今回入札されたドイツ10年債の利率は2%と、10年債として過去最低水準だったことに加えて、ドイツが反対してきたユーロ共同債の導入が検討され、それはドイツの負担を大きくさせかねないとの懸念があったためかもしれない。この入札結果を受けてドイツ国債は売られ、さらに欧米株式市場の下落要因ともなった。市場がかなり神経質となっていた際に札割れとなってしまったことで、影響が大きかったようである。

 ユーロ圏の中では、唯一の安全資産として買われていたドイツ国債まで売られたことで、その衝撃は大きかった。果たして今回のドイツ国債の売りは一時的なのか、それともドイツ国債も下落基調となるのか。もしもドイツ国債まで下落基調となれば、ユーロ圏の債務問題はあらたな段階に移行してくる可能性がある。


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by nihonkokusai | 2011-11-25 10:05 | 国債 | Comments(0)
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