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「水野シナリオに沿った量的緩和解除プロセス?」

 まずは、以下のコメントを読んでいただきたい。

 「個人的には、金利を中心とする枠組みへの移行、すなわち、金融市場調節の誘導目標を量から金利へ移行する場合、(1)当座預金残高目標を引き下げるプロセス、(2)無担保コール翌日物金利をゼロ近傍に維持して短期金融市場の機能回復を待つプロセス、(3)無担保コール翌日物金利をゼロ近傍から中立的な水準に近づけるプロセス、という3つのプロセスを念頭においています。もちろん、当座預金残高目標を引き下げるプロセスをスタートさせる前に、日本銀行が量的緩和政策の枠組みから、金利を中心とする枠組みへのシフトを宣言する可能性はあります。しかし、その場合でも、無担保コール翌日物金利をゼロ近傍からプラスの水準に誘導するには、当座預金残高目標をいわゆる所要残高近辺まで引き下げる必要があります。」(2005年 6月 2日福島県金融経済懇談会における水野審議委員挨拶要旨より)

 そして、10月31日に発表された日銀の展望レポートは下記のような内容となっていた。「枠組みの変更は、日本銀行当座預金残高を所要準備の水準に向けて削減し、金融市場調節の主たる操作目標を日本銀行当座預金残高から短期金利に変更することを意味する。」「枠組み変更後のプロセスを概念的に整理すると、極めて低い短期金利の水準を経て、次第に経済・物価情勢に見合った金利水準に調整していくという順序をたどることになると考えられる。」

 展望レポートにも量的緩和解除のプロセスが明記され、日銀は来春に向けての量的緩和解除に向けての強い意志表示を示したものと思われるが、そのプロセスの内容自体は、水野審議委員のイメージしていたものと非常に近いことが、この2つのコメントを比較するとわかる。

 水野審議委員も量的緩和解除に向けて就任時から強い意思表示を示していたとも言われるが、福井総裁自身の考え方に非常に近いものであったと思われる。水野氏は当座預金残高目標を引き下げるプロセスを先に行うことを主張していたが、実際に日銀は5月20日の決定会合を前に、それを検討していた節がある。ただし、谷垣財務大臣の強力な反対にあったために「なお書き」修正に留めたといった見方もあった。

 このように、現在の福井日銀が描いている量的緩和解除のプロセスは、これまで水野審議委員の描いていたプロセスにたいへん近いものとなっており、今後さらに水野審議委員のコメントがクローズアップされてくる可能性もある。
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by nihonkokusai | 2005-11-01 10:11 | 日銀 | Comments(0)
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