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牛熊ゼミナール金融の歴史第36回 第一次世界大戦におけるイギリスの資金調達

 1914年7月に第一次世界大戦が勃発し、ヨーロッパ大陸諸国の証券取引所やニューヨークの証券取引所が大混乱に陥りました。当時の世界金融の中心地であったロンドンのシティの証券取引所の取引が停止され、為替市場も停止したのです。 この危機に際し、イングランド銀行は公定歩合の引き上げと流動性供給策を行いました。銀行法(ピール条令)も停止され、イングランド銀行に法定限度を超える発券を認め、さらに1ポンドと10シリングのカレンシー・ノートと呼ばれる政府紙幣も発行されたのです。この政府紙幣は戦局が長引くにつれ増発され、物価上昇に要因となるとともに、イギリスにおける金本位制復帰の大きな障害になることになります。大戦中は流通現金ばかりでなく銀行預金も急増しました。

 資金調達のために国債も大量に発行されました。第一次世界大戦に際しイギリスで発行された国債の多くが5%クーポンであったことで、第一次世界大戦が「5%の戦争」と呼ばれたのに対し、第二次世界大戦では主に3%クーポンの国債が発行されたことで、「3%の戦争」と呼ばれました。(富田俊基著「国債の歴史」より)。

 1914年に3.5億ポンドの第一回軍事公債(1928年3月償還)が発行されたのですが、これは償還期限が決められていました。それまで発行されていたイギリス国債の中心は償還期限のないコンソル債であったことで、これ以降はイギリスにおける国債発行の発行形態が大きく変化しました。1915年3月には満期5年の国庫債券が発行されました。

 しかし、国庫債券の発行は次第に低調となったことで、その後国債の発行は短期国債や小口の国民軍事債券の発行が主体になりました。また、イギリス政府は外貨建て国債を初めて発行し、アメリカではドル建ての英仏共同国債がJPモルガンを財務代理人として発行されたのです。また、円建てのイギリス国債(期間3年)が1916年12月に発行されました。アメリカの参戦後は、イギリスはアメリカ政府から直接借り入れを行いました。アメリカは大戦を通じ債務国から世界最大の債権国に転換したのです。


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by nihonkokusai | 2011-11-17 17:38 | 金融の歴史 | Comments(0)
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