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ラガルドIMF専務理事の来日

 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が11日から12日にかけて来日した。欧州危機に対するIMFなどを通じた支援のあり方や、2012年に日本で開くIMF総会などについて議論するのが目的とみられる。

 12日にラガルド専務理事は安住淳財務相と財務省内で会談し、欧州の財政危機など世界の経済情勢について意見交換した。ラガルド専務理事は、IMFが財政を監視下に置くイタリアや、新しい連立内閣が発足したギリシャの動向を説明したようである。

 安住淳財務相との会談後の記者会見では、「ユーロ圏危機が一段と悪化すれば、世界中、特にアジアに影響を及ぼすだろう」と発言。また、日本の為替介入についても話をしたようで、為替介入についてはG7声明に沿ったものと認識している、と述べたようだが、われわれは、介入の最も効果的な方法は協調行動だと考えていると付け加え、遠回しながらも単独介入に懐疑的な見方を示したとも言える。

 国際通貨基金(IMF)と世界銀行の合同年次総会は来年10月に東京で開催する。日本での開催は東京オリンピックが開かれた1964年以来、実に48年ぶりの開催となる。IMFのサイトによると、IMFと世銀グループの年次総会には毎年、中央銀行総裁、財務・開発大臣、民間企業の幹部、学会の専門家などが集まり、世界の経済の見通し、貧困撲滅、経済発展、そして援助の有効性など世界的な課題について話し合われるそうである。

 果たして来年10月のIMF総会の中心的な話題は何になるのであろうか。欧州の信用問題を引きずっているのか。それとも、信用不安の連鎖により、開催国日本の債務問題がクローズアップされているかもしれない。

 さて、来日したラガルド氏であるが、弁護士出身で、農業・漁業相などを経て2007年6月に経済財政相(財務相に相当)に就任したが、G8では初めての女性財務相でもある。その人柄について、女性政治家として成功しながらエリート臭がなく飾らない性格と伝えられており、フランス国民に親しまれているそうである。

 これに対してラガルド氏はユーロ圏を破産させかねないとの見方もある。「ラガルドはユーロ圏の熱心な擁護者という点で致命的な欠陥があると主張。IMFが直面している最大の課題、つまり欧州の債務危機に対して客観的な立場で指導力を発揮できない」とした学者もいる(ニューズウイーク)。

 また、フランス出身のラガルド氏も中立にはなれないとの指摘もあった。しかし、欧州の問題についてはその当事者が最も理解している問題でもあり、この批判が正しいかどうか疑問である。

 ラガルド氏は財務相として2007年から4年間務めていたということはサブプライム・ショック、リーマン・ショック、ギリシャ・ショックなどで混乱した欧州の財政金融問題での舵取りに対して重要な働きをしてきた。この際も調整能力を中心として、その手腕に対する評価は高かったようである。

 来年の日本での総会を控えて、日本国内でもIMFの関心が次第に高まってくる可能性があり、今回のラガルド専務理事の来日に対してマスコミの扱い等は比較的小さかったが、今後は日本でも次第にラガルド人気が高まることも予想される。


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by nihonkokusai | 2011-11-15 09:57 | 国際情勢 | Comments(0)
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