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牛熊ゼミナール金融の歴史第30回 金本位制の導入

 ナポレオン戦争により、イングランド銀行の保有する貴金属が激減し、一時的に兌換が停止されました。さらにナポレオン戦争の終結後、輸入が増大したことで金の流出が起きました。これにより紙幣価値が大きく下落し、インフレが発生しました。

 経済学者デイビッド・リカードは1810年に「地金の価格高騰について、紙幣暴落の証明」という小論を発表し、これをきっかけに金本位制に向けて議会に専門の委員会が作られました。1816年に貨幣法が成立し、これにより世界で始めてイギリスで金本位制が導入され、ソブリン金貨と呼ばれる1ポンドに相当する金貨が鋳造されたのです。

 イングランド銀行は1833年の銀行条例によって額面5ポンド以上のBOE券が法貨として認められ、同時に割引率も自由に変更が可能となりました。さらに1844年のイギリスの銀行法(ピール条令)によって、イングランド銀行以外の民間銀行が発行していた流通通貨の額を増やすことができなくなり、事実上イングランド銀行が通貨の発行権を独占することになりました。これは1820年代の英国の金融危機を受けてのものですが、これによりイングランド銀行は中央銀行としての地位を高めていったのです。

 ピール条例はイングランド銀行券の発行高を金準備による制約を課して、厳格に制限しました。この厳格な規制によりイングランド銀行券の価値は金と等しく見なされました。つまりイングランド銀行は、金と交換できるポンド表示の兌換紙幣を発行し、イングランド銀行が発行した紙幣と同額の金を常時保管することで、金と紙幣との兌換を保証することとなったのです。

 こうしてポンドはその通貨価値が金と等しくなったことで国際的にも信用度を高めて行きました。1816年の金本位制採用から1914年の金本位制度停止までの約100年近くの間、金平価によるポンドの信認が維持され、国際通貨として通用するようになり、国際間の取引がポンドを通じてロンドンで行なわれるようになったのです。これによりロンドンが世界の貿易金融の中心地となり、世界の銀行とも呼ばれるようになりました。イギリスに続き1871年にドイツ、1873年にアメリカ、1876年にフランスなど、欧米主要国は金銀複本位制や銀本位制などから金本位制へと移行しました。


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by nihonkokusai | 2011-11-09 18:32 | 金融の歴史 | Comments(0)
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