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「中学生のための個人向け国債の賢い買い方 その1」

 これから1か月程度の期間をかけて12月に募集が開始される新型の固定利付タイプの個人向け国債の発行を控えて、金融にあまり詳しくない方々にも理解可能なかたちでの個人向け国債の解説をしてみたいと思う。目標は我が家の長女(中学2年生)にも「わかった」と言ってもらうこと。がんばってみたい。国債の関係者や金融投資のプロの方々からの助言などもいただければ幸いである。それでは第一回は「お金を見てみよう」

第一話「お金を見てみよう」

 「起立、礼、よろしくお願いいたします。着席!」

 このたびこの2年B組で臨時の授業を受け持つこととなりました牛熊(うしくま)です、よろしくお願いいたします。これから君たちにお話をするのは国債のことです。なんかかなり難しそうなことと思われるかもしれませんが、その通りです。なかなかとっつきにくいものでもあって、間違ってもアニメの題材なんかにはされそうもありません。でも国債というものは君たちにとっても直接関係があるものでもあるのです。できるだけわかりやすく面白くお話していくつもりですので、できたら寝ないで聞いてくださいね。

 私の中学生の頃は親から毎月千円とかの「お小遣い」を貰っていましたが、君たちもやはり小遣い制なのかな。そうか、それは今でもあまり変っていないようだね。それではその小遣いを貰ったらどうするのかな。財布に入れて使う。そうだね、ほかには。貯金する、偉いぞ。貯金とは読んで字のごとく、お金を貯めることだね。昔はブタの貯金箱なんていうのもあったけど、今は百円ショップでもいろいろなものが売っているね。

 その百円ショップで貯金箱を買うにはお小遣いの一部を使うこととなるけど、物を買うということは、たとえば百円という価値をもっている百円硬貨と貯金箱を交換するということにもなるよね。

 それでは誰が百円硬貨に百円という価値を与えているのかな。お金を漠然と使っているとあまりそんなことは考えたことないよね。誰かがお金にそこに表示された価値があることを認めていることで、その表示された金額のものと交換ができる。これがお金の持つ大きな役割でもあるんだよ。お金の役割とは、このように交換でできることや、その価値をたとえば貯金箱などで簡単に貯めておけること、それに加えて物の価値を測ることができることなどがあるんだ。

 物の価値が変化することはわかるよね。中学生ともなるともう卒業したかもしれないけど、アニメとかのキャラクターカードなどで、なかなか手に入らないものは価値が高くなるよね。反対にみんな持っているようなカードは価値はあまりないので低くなる。そのカードの価値を具体的に比べようとしたらどうしたら良いだろう。まあカードの売り買いはあまりお勧めできないが、お金に換算することで評価できることも確かだね。

 お金の役割といったことは理解できたかな。それでは話を戻して、誰がそのお金の価値を保障しているのだろうか考えてみよう。もし誰かがその価値を保障してくれないと君たちの持っているお金はただの金属や紙に過ぎなくなってしまう。

 百円硬貨を見てほしい。そこに「日本国」という表示がある。そう、これは国がその価値を保障していることになるね。そして、お金にはお札もある。お札と百円硬貨などの貨幣との違いってわかるかな。お札を良く見てほしい。お札には「日本国」ではなくて今度は「日本銀行」とか「日本銀行券」と書いてあるよね。ということはお札の価値を保障しているのは国ではなくて日本銀行という銀行ということになる。

 お札をもっと良く見てみると「財務省造幣局製造」とも書いてあるね。小さくて私のような老眼ではとても見づらいんだが。それはさておき、それでは日本銀行と財務省、そして貨幣の日本国とはどのような関係にあるのだろう。答えを言ってしまうと、まず貨幣の日本国は日本国政府のことであり、これを発行しているのは政府の機関でもある財務省なんだ。そしてお札を印刷して作っているのも財務省の造幣局だね。ところが。お札を造幣局から受け取って発行する権限を持っているのは日本銀行という政府とは異なった組織なんだ。では何故、日本のお金のほとんどを占めるお札は財務省が発行しないで日本銀行が発行するのだろう。このことは国債というものにも関わってくる大事なポイントでもあるので、少し考えてみてほしい。

 どうだろう、何か思いついたかな。日本の政府の役割といったものもすでにある程度は勉強していると思うけど、政府はいろいろな役割を持っていることは知っているよね。君たちの教育といったことも文部科学省というところが担当しているんだよね。道路を整備したり、外国と交渉したり、とにかくいろいろな仕事があって、それにはとても大きなお金が必要になる。今では年間80兆円とかの規模の予算を財務省が組んでいるんだ。

 もし国が自分でお金を印刷して発行できるとしたら、あれも必要、これも必要ときりがなくなって、お金がどんどんと増えていってしまう危険があると思わないかい。お金がなくなったら刷ればいいじゃん、なーんてことはあまりに魅力的だけど危険もはらんでしまうだな。

 ということでちょっと歴史を遡っての明治時代、このころはまだ政府がお金を発行していたんだ。1877年に上野の銅像でも有名な西郷さんたちと政府が戦った西南戦争が起きた。政府は戦争のための費用を調達するために政府紙幣を増発したんだ。そのために貨幣の価値が急落してしまった。いわゆるインフレという現象が起きてしまったんだ。そのため、紙幣の乱発を防いで通貨価値の安定を図るという目的のもと1882年に日本の中央銀行として日本銀行が設立されることになったわけだ。

 日本銀行法という法律があるのだけれど、その第1条に「日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。」とあり、また第2条には「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」ううむ、言いたいことはわかる。法律の文章ってちょっとわかりづらいよなあ。できたらもっとわかりやすい文章にしてもらうともっと読んでもらえるんじゃないかとも思うよ。それはさておき、物価の安定を図るとは貨幣の価値を安定させるということにもなり、それが日本銀行の大きな目的となっていることが、なんとなくわかるよね。

 それでは、君たちはこのお金を貯めておくのに財布や貯金箱を使うと思うけど、ご両親たちはどうしているのだろうか。なになに、タンスの奥にある本のページの間に貯めているって、それはちょっと特殊な貯め方じゃないかと思う。普段は銀行や郵便局に預けているよね。そういえば貯金と預金の違いってわかるかな。郵便局に預けるのが貯金で、銀行に預けることを預金と言うんだ。おっと、チャイムが鳴ってしまった。では次回はこの我々がお金を預けるということと、国債を買うといったことの違いを次の時間でお話したいと思う。それでは、本日はこれまで。

 「起立、礼、ありがとうございました。着席!」
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by nihonkokusai | 2005-10-28 16:59 | 国債 | Comments(0)
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