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牛熊ゼミナール金融の歴史第15回 日本での為替取引のはじまり

 為替取引とは、遠隔地間の貸借を決済する際に現金の輸送によらずに、手形・小切手などによって決済する方法です。「為替(かわせ)」という言葉は、現金と手形などを交替させることから「かわす」の連用形が名詞化されたと言われています。

 日本における為替取引の最古のものは、1048年の東大寺文書にみられる「替米」とされています。寺社などの荘園領主が年貢物の輸送に伴う不便や危険を回避しようとしたことから、中世に入り為替取引が発展しました。鎌倉時代には御家人が鎌倉や京都で銭や米を受け取る仕組みなどに為替が使われていました。また、諸司・諸家が発給した切下文・返抄といった個人への支払手段があり、これらが現在使われている小切手・手形の元になったとされています。

 渡来銭が流通するようになった13世紀後半になると遠隔地間の銭貨を対価とした為替(割符、さいふ)が登場しました。鎌倉時代後期から室町期にかけて商品経済が発展し、地方で買い入れた産物を都などで販売する商人や、地方と都市とを往来する行商人が現れました。また、定期市なども開催されるようになり、都で販売する特産物を地方で仕入れる際に都から代金としての銭を送金するため、割符・替銭という為替取引が使われるようになったのです。

 割符の受取人は危険と負担が伴いますが、商取引の発達により為替取引が活発化するようになったことで、その発行と支払いを専門とする割符屋が、京都や奈良、さらに堺や兵庫といった港湾都市に現れたのです。

 当時の割符の仕組みは、まず遠隔地の相手に代金を送金しようとする場合、送金者は最寄の割符屋に現金を持ち込んで手形(割符)をもらいます。そして送金する相手方にその手形を送ります。その手形を受け取った相手方は、今度は最寄りの割符屋にこれを持ち込み,手形に記された金額の金銭を入手するというものです。現在の銀行間のネットワークのように、割符屋間同士のネットワークが形成されており、このような取引が可能となったのです。


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by nihonkokusai | 2011-10-19 16:16 | 金融の歴史 | Comments(0)
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