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第3次補正予算に伴う国債増発の影響は限定的か

 昨日、財務省で開催された第40回目となる国債市場特別参加者会合(PD懇)の議事要旨が、本日朝方公表された。この中で、まず財務省から平成23年度第3次補正予算に伴う国債発行計画についての説明があった。

 「平成23年度第3次補正予算について、10月7日に閣議決定された基本方針によると、総額概ね12兆円程度の歳出であり、その財源については、歳出削減等のほか、同決定の参考資料において復興債を11.4兆円程度発行することで調達することとなっている。また、財政投融資計画について、1.3兆円程度を追加することとなっているが、その財源のうち、財投債による調達は数千億円になる見込みである。」

 「更に、補正予算の機会に借換債の発行額を見直すことに伴い、借換債が2兆円程度減額されることとなる。これは、平成23年度の国債発行計画を公表した後の平成22年度末に、日銀再乗換による1年債の発行を2兆円減額し、市中発行による満期2年以上の国債で借り換えたため、今年度の満期到来額がその分減少することによるものである。」

 14日の日経新聞の報道などによると、2011年度第3次補正予算案や復興増税の関連法案を審議する次期臨時国会は20日に招集される。それを前にして、民主党は自民、公明両党と協議を行なっており、復興債については償還期限が延長される可能性があると報じられている。また、復興債の発行額そのものもまだ流動的な面がある。

 現状では、財務省は復興債、財投債及び借換債の増減を合計した国債発行総額としては10兆円程度の増発を見込んでいるようである。

 ただし、財務省は「当該金額をそのまま月々の入札額に上乗せすることは考えていない」としており、「財投債の不用(7.1兆円)や特例公債の出納整理期間発行分の発行取り止め(2兆円)、第Ⅱ非価格競争入札の上振れなど」から、カレンダーベース市中発行額の増額は相当程度抑制するとしている。

 具体的には、第Ⅱ非価格競争入札において上半期実績における上振れ分を増額し、前倒債発行減額による調整分についても相当規模の増額が想定され、個人向け国債の販売が当初予定を上回ってきていることで、こちらの発行計画額の増額も加わると、かなりの削減となることが予想される。

 つまりは第3次補正予算に絡んでの10兆円規模の国債増発があったとしても、かなりの規模で市中消化額が押さえられることが想定されるわけである。その市中消化額については、まだ流動的な面はあるものの、どうやら数兆円規模になるのではないかと予想される。

 この金額についてPD懇の参加者からの予想をみると、2.4兆円、2兆円程度、総額1.4兆円、2兆円、1.8兆円と予想はややバラけてはいるが、おおよそ2兆円あたりを中心とした予想となっている。

 また、年限別配分については投資家需要とともに、復興債の償還期限にもある程度は影響を受けるとみられることもあり、PD懇の参加者の多くも予想しているように、中期債などが主体になるのではないかと予想される。

 14日に開催された国債投資家懇談会での投資家の意向なども配慮して、増発に係わる国債市中消化額の年限別の振り分けが行なわれるとみられる。増発については、国会審議の行方次第ではあるが、11月もしくは12月あたりから開始されるものと予想される。

 この国債増発による市場への影響については、すでにこのようにある程度の金額の増発を市場参加者が予測している以上、限定的なものとなると予想される。

 10兆円規模での国債増発でもびくともしないのが現在の日本国債を取り巻く状況である。これにはこれまで前倒し発行などにより、ある程度の増発であってもそれを吸収できる環境を整えてきていたことや、PD懇に代表される国債管理政策が進展していたことが大きな要因である。

 それとともに日本国債に対しては、まだまだ強い需要が存在しているためである。それは、今回のPD懇でもそれを意識している業者から、増発に関して国債需給を懸念するような発言がなかったことからも伺えるのである。


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by nihonkokusai | 2011-10-15 12:55 | 国債 | Comments(0)
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