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日銀の追加緩和は円高や株安次第か

 日銀は13日に、9月6、7日に開催された金融政策決定会合の議事要旨を発表した。これを基にして、今後の日銀の追加緩和の可能性を探ってみたい。

 当面の金融政策運営についての議論の中で、「何人かの委員は、このところ、景気の下振れリスクは幾分高まっているが、8月に実施した基金の増額に際し想定していた範囲内であるとの見解を示した」とある。

 この場合の景気の下振れリスクについては、米国のバランスシート調整圧力やソブリン・リスク問題の影響などによる海外経済の先行きを巡る下振れリスクを受けての、日本の為替・金融資本市場の変動が、日本経済に与える影響を指しているようである。つまり、日本の為替・金融資本市場の変動とは円高・株安のことを示しているとみられ、その動向をかなり注視している姿勢がうかがえる。

 「また、何人かの委員は、米欧金融資本市場で緊張が高まっているにもかかわらず、日本の金融市場の安定が維持されていることには、基金の増額が何がしか影響していると述べた」

 「何がしか影響」との表現が、現在の日銀の追加緩和、この場合は基金の増額という格好だが、その限界があることを示しているようにも感じられる。

 「こうした中で、複数の委員は、日本経済の直面する厳しさが、国内外の構造的な要因から生じている面も大きいことを踏まえ、金融政策で対応し得る問題とそうではない問題を見極めながら政策を進めていく必要があると述べた。」

 国内外の構造的な要因とは、具体的に何を示しているのか、これだけでは判断しにくい。国外の要因は欧州の債務問題等を示していようが、国内の構造的な要因とは何を示すのか。もしデフレであるとすれば、それは金融政策で対応すべきものであるとの一部からの声も聞こえてきそうだが。また、日本の債務問題も含んだものなのであろうか。

 「複数の委員は、欧州のソブリン・リスク問題の帰趨が不透明であるなど、景気の下振れリスクがなお高いことを踏まえると、事態の展開によっては、先行きさらなる金融緩和が必要となる可能性もあるとの見解を示した。」

 ここで気になるのは、「事態の展開によっては」との表現か。つまりは欧州のソブリン・リスク問題の影響により日本の為替・金融資本市場が変動するという事態の展開によっては、追加緩和も辞さないというように読み取れる。

 「これに対し、一人の委員は、金融緩和の一段の強化が、市場の流動性低下や金融機関の収益機会の縮小などを通じて、かえって、金融システムを不安定化させたり、金融政策の効果浸透を阻害したりすることがないよう、十分に配慮する必要があると述べた。」

 このあたり前回の量的緩和政策の際にも指摘されていたことではあるが、追加緩和の際の副作用の問題である。しかし、現在の包括緩和の強化であるのならば、それほど副作用は心配する必要はないように思うのだが。

 以上のことから、今後の日銀の追加緩和に関しては可能性は十分にあると判断される。しかし、FRBやECB、BOEなどがここにきてツイスト・オペやカバード債の購入を再開したり、量的緩和策を拡大してきたが、日銀は8月に資産買い入れを増額したあとは動いていない。今後は欧州の債務問題などから、再び円高が進行し最高値を更新したり、東京株式市場が急落するなどしてこない限り、日銀は当面、静観の構えで望むものと予想される。


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by nihonkokusai | 2011-10-14 08:12 | 日銀 | Comments(0)
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