牛熊ゼミナール金融の歴史第10回 株式会社の誕生
航海というリスクが大きいながらも収益性の高い事業に対して国王から独占権が与えられ、それとともにすでに資金調達のために用いられ始めていた譲渡可能な株式が結びついて、ジョイント・ストック・カンパニーと呼ばれた巨大な株式会社が設立されたのです。
その中でも特に有名なのが「東インド会社」です。オランダ、イギリスを始めフランス、ドイツ、スウェーデンなどもジョイント・ストック・カンパニーである「東インド会社」を設立し、東方交易に乗り出したのです。
オランダからは複数の会社が東南アジアに進出したのですが、同国の会社間での競争が激化し共倒れの危険性があることから、過当競争を避けるために、1602年にオランダ東インド会社として統合されました。オランダ東インド会社の株式の譲渡は自由であり、株主の責任が有限責任であったことなど近代的な株式会社の性格を帯びており、その後200年間も存続し、ヨーロッパ諸国の株式会社のモデルとされたのです。
イギリス東インド会社は、初期には航海ごとに臨時に会社が設立されて清算を行うなどしていたことで、すでに永続的な会社組織となっていたオランダ東インド会社との競争に勝つことができないとして、1657年に清教徒革命で有名なオリヴァー・クロムウェルによって、イギリス東インド会社の資本構造などの会社組織の改組が実施され、オランダと同じような永続的な企業組織となりました。ちなみにイギリス東インド会社は1613年に日本の平戸に商館を設置しています。
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