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日本の長期金利は1990年の8%台から低下基調に

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 前回は日本の長期金利が2%を割り込んだ1997年の様子を見てきたが、それでは日本の長期金利はいつごろから低下を始めたのかを確認してみたい。

 1989年5月に日銀は公定歩合を3.25%に、さらに10月には3.75%に、12月には4.25%と引き上げ、完全に金融引締策へと転向した。それでも、バブルの勢いは年末まで続き、日経平均株価は、その年の大納会の大引けで3万8915円を付けた。結局、これがそれ以降20年以上にわたる株価の最高値となる。一方、債券相場は、公定歩合の度重なる引き上げによる短期金利の上昇で長短金利が逆転するという事態となっていた。

 1990年は債券安・株式安・円安のトリプル安でのスタートとなったが、米国金融緩和期待の後退、ソ連情勢の悪化、日銀による公定歩合の再引き上げ観測などが要因であった。日銀は3月20日に1.00%という大幅な公定歩合の引き上げを実施し、5.25%まで引き上げた。

 8月2日にイラク軍がクウェートに侵攻すると原油価格が急騰し、インフレ懸念が一段と高まった。その後、原油価格は下落したものの、物価上昇を意識してか、日銀は同月30日に公定歩合を0.50%引き上げ、年6.00%とした(第五次公定歩合の引き上げ)。これを受けて債券先物は急落し、9月27日には債券先物市場開設以来の安値となる87円8銭にまで下落した。長期金利もこの頃は8%台にあり、直近のピークをつけたのである。株価も大きく下落し、10月1日に日経平均株価は2万円を割り込んだ。

 バブルの波に乗り、民間消費や民間設備投資に主導された経済成長が持続したことで、申告所得税、源泉所得税、法人税、そして有価証券取引税などを中心に税収は伸び、この時期には、一般歳出は抑制され続け財政再建策が取られていたことで、財政状況は大きく改善した。1989年4月からは、所得税や法人税などの大規模な減税と引き換えに消費税が導入されたこともあり、この結果、1990年度には特例国債依存から脱却するまでになったのである。

 つまり、日本の長期金利が直近のピークにあった時点では、近年の中で、日本の財政状態は比較的健全な状態にあったといえる。

 1990年9月、債券先物は史上最安値で底入れし、米国の金融緩和政策への転換や、円高などを受けて上昇基調に転じた。長期金利もピークアウトし、これ以降、低下基調となるのである。1991年7月からの日銀による度重なる大幅な公定歩合の引き下げも(1992年7月までに3.25%に)、債券相場にとって好材料視された。

 1991年に入り、日銀は6月に短期金利の低め誘導を行い、7月1日には公定歩合を6.0%から5.5%に引き下げ、さらに11月14日、12月30日と続けて公定歩合を引き下げて4.5%としたが、これによる効果は限られた。

 1992年1月に地価税が導入され土地神話は完全に打ち砕かれた。3月末に公共事業の施行推進など緊急経済対策が決定し、公定歩合も3.75%に引き下げられ、7月にも0.5%の追加引き下げが実施された。8月には総合経済対策が策定され、公共事業投資の拡大などを主体とした事業規模は10.7兆円までに達した。

 1993年1月に大蔵省資金運用部が初めての国債買い入れを実施した。バブル崩壊後の景気回復が思わしくないなか、米国による内需拡大要請もあり、1993年4月に宮沢首相(当時)は事業規模13兆円の景気対策を実施したのであった。

 1991年からの度重なる景気対策に伴う公共債の増発によって、その後、国債市場では需給悪化懸念が広まり始めた。そして1994年1月、高値警戒感も強まっていたところに、大蔵省資金運用部が約11年ぶりに債券の売りオペを実施したことも手伝い、これによって、債券価格は一時大きく下落したのである。長期金利は1993年末に3%台半ばにあったが、1994年夏にいったん5%近くまで上昇した。


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by nihonkokusai | 2011-10-06 08:22 | 債券市場 | Comments(0)
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