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牛熊ゼミナール金融の歴史第5回 紙幣の誕生

 中国の唐の時代の後期には、茶・塩・絹などの遠距離取引が盛んになるなど商業の発達に伴い銭貨の搬送を回避する手段として「飛銭」と呼ばれた送金手形制度が発生しました。高額商品の売買には銭貨の「開元通宝」などでは量がかさんでしまう上、途中での盗賊などによる盗難の危険もあります。このため、長安や洛陽などの大都市と地方都市や特産品の産地などを結んで、当初は民間の富商と地方の商人との間によって「飛銭」という送金手形制度が開始されたのです。

 これはたいへん便利なものであるとともに、手数料収入に目を付けた節度使(地方の軍司令官)や三司(財政のトップ)などもこれを模倣しました。飛銭を利用する際に使われた証明書(預り証)が、宋代になると交子・会子・交鈔・交引などと呼ばれ、証明書それ自体が現金の代わりとして取引の支払に用いられるようになりました。特に四川地方で発行された「交子」が世界史上初の紙幣とされています。

 紙幣はたいへん便利なものであったことで、その需要が増え、それに目をつけた政府は軍事費に当てるための財源として交子を乱発し、その価値を失ってしまいました。新たな紙幣を発行するものの、やはり信用を落としてしまい、最終的には銅銭が復活することになります。

 しかし、なぜ中国で世界最初の紙幣が誕生したのでしょうか。貨幣の材料となる貴金属などの産出が限られていたこともありますが、宋や元の時代の国家権力が強かったことも要因と指摘されます。それとともに遠隔地との交易など商業の発達がそれを促したものといえます。忘れてならないのは、紙そのものが中国で発明されたものであり、さらに印刷術も発達していたことが、紙幣の発行を可能にしたのです。

 マルコ・ポーロの「東方見聞録」には、元で通貨ではなく紙幣で買い物をする様子を見て驚く場面が登場します。これからも当時のヨーロッパなどでは紙幣が使われていなかったことがわかります。


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by nihonkokusai | 2011-10-05 17:35 | 金融の歴史 | Comments(0)
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