牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

日本の長期金利が2%を割り込んだ1997年に起きていたこと

 米国やドイツの長期金利が2%を割り込み、史上最低水準に低下してきているが、それでは日本の長期金利が2%を割り込んだのはいつであったかご記憶であろうか。

 私のホームページの「債券ディーリングルーム」には1996年あたりからの債券市況が残してある。当初はメモ書き程度の記述ではあったが、その中の1997年8月27日に「現物指標銘柄は朝方ついに2%を割り込んだ」とある。

 そこで1997年当時の様子をあらためて確認してみると、1997年5月にタイの通貨バーツの暴落を皮切りに、アジアの新興諸国の通貨が連鎖的に暴落し、東アジア全域の経済が大混乱に陥った。東アジア各国の株は急落し、成長率は軒並みマイナスとなり、企業倒産や失業が急増した。これに対しIMFを中心とした国際金融支援が特に経済に大きな打撃を受けたタイ、インドネシア、そして韓国に対して実施されたのである。いわゆるアジアの通貨危機があったのがこの年であった。

 そして、日本では1997年4月に減税の財源として消費税の引き上げが実施された。財政構造改革とこの消費税の導入がその後の景気後退の要因と指摘されたが、バブルの後遺症ともいえる不良債権処理の遅れがその大きな要因となっていた。

 この1997年には企業の破綻が相次ぎ、7月4日に東海興業、7月30日に多田建設、8月19日大都工業、9月18日ヤオハンが会社更正法の適用申請を行った。その後、11月3日に三洋証券が会社更正法適用を申請、17日には都銀の北海道拓殖銀行が経営破綻し北洋銀行への営業譲渡を発表した。さらに24日には証券大手の山一證券が自主廃業を届け出、26日には徳陽シティ銀行が分割譲渡と金融機関が相次いで破綻したのである。

 このように国内外で危機的な状況に陥っていたのが1997年であり、そんな最中、日本の長期金利は低下を続け2%を割り込んだのである。ちなみに1996年に日本の長期金利は3%台、1995年には4%台にあった。

 1997年に日本の長期金利は2%を割り込み、1998年9月11日には1%割れとなった。その後、1998年末の資金運用部ショックが起き、長期金利は上昇して12月30日には再び2%台を回復し、1999年2月5日に2.440%をつけた。しかし、それが直近での日本の長期金利のピークになり、それ以降は2%が日本の長期金利の上限の壁となっているのである。

 はたして米国やドイツの長期金利は今後はどのような動きを示すのか。日本の長期金利が2%を割り込んだ1997年には国内外で大きな危機が生じ、それがその後の日本経済にも大きな影響を与え、長期金利は2%以内という低水準での推移が続いている。米独の長期金利が2%を割り込んだ今年も欧州での債務危機が起きている。このあと米独の長期金利についても本当に日本化が進むとなれば、両国の長期金利は2%以内に封じ込められる可能性も、日本の例を見る限りないとは言えないのだが。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。

毎営業日の朝と夕方にその日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。
10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。
昼には、コラムも1本配信しています。
毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
ご登録はこちらからお願いいたします。

http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-10-05 08:38 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31