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復興債発行にかかわる国債増発の行方

 24日付けの日経新聞によると、政府は東日本大震災からの復興資金を調達するために発行される復興債(国債)について、原則として2022年度末までに償還を迎える仕組みにする方向で検討に入ったそうである。

 この復興債はこれまでに発行された国債との発行根拠法が異なるものとなる。つまり60年償還ルールが適用される建設国債や赤字国債とは異なり、11年程度で調達資金を完済する枠組みとなるようである。

 現在の国債発行の方式では、特に建設国債や赤字国債、そして借換債、財投債は別々に発行されているのではなく、毎月の入札に絡んでそれぞれ各年限に振り分けられている。

 たとえば9月に発行された10年国債は、財政法(昭和22年法律第34号)第4条第1項及び平成23年度における公債の発行の特例に関する法律(平成23年法律第106号)第2条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第62条第1項が発行根拠法として記載されている(財務省のサイトより)。

 つまり、これは財政法により発行される建設国債、特例により発行される赤字国債、そして特別会計に関する法律によって発行される財投債となる。それぞれの発行金額は財務内で管理され、トータルとして発行根拠法別に年度の発行額に合うようになっている。

 つまり、復興債という国債についても、11年満期の国債が新たに発行されるわけではなく、最終的に11年程度で償還されるように振り分けられる。これは裏を返せばその分は11年以上の期間の国債、つまり20年債や30年債といった超長期債では発行されないということになろう。

 復興債の発行額については、今後本格的な審議が行なわれる第3次補正予算の規模などによるが、10.5兆円規模ではないかとの観測が出ている。

 復興債の発行ではあらかじめ設けている約8兆円の国債の追加発行枠の一部を使う方針と伝えており、今年度分としてすでに発行されている前倒し債の調整分として計上している8兆3893億円の一部を充てることになる。この前倒し債には、出納整理期間中に発行を予定していた2兆円の発行を税収の上振れ等によりとりやめたことで、さらに2兆円分含まれることもあり、その分もバッファーとなる。この分、国債の市中消化額の規模を抑えることが可能になる。

 ただし、上記の部分は来年度以降の国債発行のためのバッファーとして生かす必要もあり、全額を今回使い切ることはできない。しかし、これとは別に第2非価格競争入札の年度計画に対する上振れ分などもあることで、市中消化についてはかなり抑えられる見込みである。市場が今年度の中で、どの程度の増発が許容できるのかも探りながら、復興債の発行に係わる増発額が今後、決められていくものと予想される。

 この増発額については、それほど大きなものにならないと予想され(数兆円規模か)、さらにそれによる増発は中短期債主体になるのではないかとの観測も出ている。日銀による包括緩和政策は当分続けられることが予想されることもあり、中短期ゾーンには発行余力は十分にあるとみられ、ある程度の国債増発があってもその消化には問題はないと思われる。

 当面は復興債に係わる増発観測で中期債の上値が抑えられる可能性はあるものの、今後の国債需給に対しての影響はそれほど大きくはないと予想される。


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by nihonkokusai | 2011-09-27 08:23 | 国債 | Comments(0)
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