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次回FOMCでの追加緩和策決定は綱渡りか

 ダラス連銀のフィッシャー総裁は12日の講演後に、米経済が直面する問題があまりにも大きいため、その対応をめぐる当局者の意見は今後も分かれ、反対票が増えるとの見方を示したそうである。

 フィッシャー総裁は8月9日のFOMCにおいて、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁、ダラス連銀のプロッサー総裁とともに、FRBが2013年半ばまで超低金利を維持する可能性が高いと表明したことに反対票を投じた。

 ただし、一度決められたことについては、あらためて反対はしないとの方針は委員会制度のあり方として適切であると思う、とのコチャラコタ総裁の発言があったように、時間軸の問題に関しては今後、フィッシャー総裁、プロッサー総裁も反対はしないとみられる。

 フィッシャー総裁の言うところの、「反対票が増える」というのは、次回9月20、21日のFOMCで追加緩和策が提案された際のことではないかと思われる。

 8月9日に開催されたFOMCの議事要旨によると、「Some participants」が追加の資産購入は長期金利の低下を促し、緩和効果を高めるであろうと発言した。そして、「Others」からの意見として、FRBのポートフォリオにおける資産の平均残存期間の長期化により、長期金利に同様な影響を与えるだろうとした。さらに「A few participants」から超過準備の付利引き下げが示唆されている。これらに対して「some participants」からは、追加緩和について否定的な発言がなされていた。

 ここで気になるのが、今回のメンバー10名がどのように区分けできるのかという点である。はっきりしているのは最後の「some participants」がたぶんフィッシャー、コチャラコタ、プロッサーの3人であろうということである。となれば残りは7人である。

 ここであらためて、FOMCに参加し投票権のあるメンバーを確認してみると、理事会からバーナンキ議長、イエレン副議長、デューク理事、ラスキン理事、タルーロ理事。そして地区連銀からはニューヨーク連銀のダドリー総裁とともに、シカゴ連銀のエバンス総裁、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、ダラス連銀のフィッシャー総裁、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁となる。

 FRBは理事会と地区連銀総裁が対立していると言われているが、実際のところはあくまでフィッシャー、コチャラコタ、プロッサーの3氏が反対しているためで、ニューヨーク連銀のダドリー総裁やシカゴ連銀のエバンス総裁は、バーナンキ議長を支持してくるとみられている。また、ダドリー総裁は8月のFOMCでの低金利維持明言は景気回復を支援と発言しており、エバンス総裁も8月末に現時点では金融緩和の余地あり、強力な量的緩和が必要との発言があった。

 ダラス連銀のフィッシャー総裁による反対票が増えるとの見方の発言は、特定個人を意識したものなのかどうかは定かではないが、そのような気配を感じ取っての発言とみなすならば、反対者が理事会から出る可能性も否定できない。ここで注意すべき人物にデューク理事がいる。昨年8月のFOMCでは、保有する住宅ローン担保証券の元本償還金を長期国債に再投資する決定に異議を唱えたとされている。

 9月20、21日のFOMCではツイストオペなどによるFRBのポートフォリオにおける資産の平均残存期間の長期化などが有力視されているが、それについてバーナンキ議長は講演等で具体的な発言は避けている。これにはまだ追加緩和策についてまだ具体策が固まっていないためとの見方もある。

 FOMCまであと1週間に迫ったが、そこでどのような決定が下され、それはどのような票数で決定されるのかも注意しておく必要がある。反対票がさらに増えるとなれば、今後のFOMCでの政策決定は綱渡りの様相となる可能性もありうる。

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by nihonkokusai | 2011-09-14 12:09 | 日銀 | Comments(0)
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