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財政健全化シフトを強める野田新政権、モデルは小泉政権か

 野田新政権は財政経済運営の目玉として、「国家戦略会議(仮称)」を新設する(4日付日経新聞)。「国家戦略会議」は経済財政運営と司令塔ともいうべきものとなり、小泉政権時代の経済財政諮問会議がモデルとなっているのは明らかである。

 「国家戦略会議」は野田首相が議長となり、古川経済財政・国家戦略室相、安住財務相らの関係閣僚とともに白川日銀総裁、米倉経団連会長、古賀連合会長ら経済界の代表、さらに学者なども参加する見通し。

 小泉政権の際の経済財政諮問会議は、最も重要な政策会議とし、「骨太の方針」を打ち出すことにより与野党の抵抗勢力を退け、官邸主導の予算編成に活用した。今回の民主党の「国家戦略会議」も増税に反対する与党内の抵抗勢力を意識したものとみられる。

 また、古川元久氏は今回、国家戦略担当、内閣府特命担当大臣(経済財政政策・科学技術政策)、社会保障・税一体改革担当、宇宙開発担当といろいろと兼務しているが、今回の国家戦略会議を意識しての担当ともいえる。また、古川氏は財務省の出身でもある。宇宙開発の部分がどのように関わるのかはさておき、社会保障・税一体改革担当を兼務していることで、財政健全化シフトを強める野田政権にとって中心的な人物の一人となる。

 そして、野田首相は民主党の政策調査会に税制調査会を新設することを決めたと、6日の日経新聞が伝えている。党税調の会長には藤井裕久元財務相が充てられる。民主党は政権交代時に、政策決定の内閣一元化を掲げて、税制改正で党税調を廃止した。その後、税制改正プロジェクトチームを発足させたが権限は限られた。今回の党税調の新設というか復活は、党として増税反対派も関与させることにより党税調の打ち出した方針を党の方針として、反対派の意見を封じ込める狙いがあるとみられる。これにより野党の自民党などとの交渉を円滑に進めることも狙いとなっているようである。

 民主党は内部の意見がばらばらであり、そのため政策も一本化できずそれが大きなネックとなっている。特に増税に関しては反対意見も多い。それをマスコミで堂々と述べられては意見の統一が図られていないとみなされる。しかし、党で決めたことには党員は従う必要もあり、その意味で政府税調ではなく党税調での決定という事実は反対派の動きを抑制することにもなろう。ただし、それには小泉政権時のように首相の強いリーダーシップとともに、それを支える内閣支持率の高さなども求められよう。

 今後は震災復興のための第三次補正予算の財源となる増税や社会保障と税の一体改革に伴う消費税増税などが焦点となる。これらには国家戦略会議や党税調がたいへん重要な役割を担うことから、野田新政権は発足早々に、財政健全化シフトを強めた格好である。

 この方針は決して間違ってはいない。欧州では国の債務問題が深刻化しつつある中、巨額債務を抱えた日本が財政健全化を放棄することは許されない。ただし、本当に与党内の増税反対派の抵抗勢力を抑えられるのか、そのあたりの今後の動向も注意深く見守っていく必要がありそうである。


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by nihonkokusai | 2011-09-07 10:45 | 国債 | Comments(0)
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