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スペインは財政再建に向け憲法改正へ

 29日の民主党代表選挙では野田氏が決選投票で海江田氏を破り、民主党代表に選出され、昨日の衆参両院本会議で第95代の首相に指名された。

 野田財務相は早くから代表選出馬の意向を示し、有力候補とみられていた。しかし、その代表選には野田氏を支援するとみられていた前原氏が出馬を表明し、小沢グループの支持を受けた海江田氏も立候補、さらに鹿野氏、馬渕氏も立候補したことで、むしろ野田氏は不利との見方が強まっていた。

 しかし、結果として民主党は野田氏を代表に選出したわけであり、民主党も最終的には財政再建路線を選択せざるを得ないとの認識であったと思われる。もちろん、今回の選挙は小沢派と脱小沢派の駆け引きの場となるなど、政策論争とはまた別な次元での戦いのようではあったが、最初の投票で2位となったことは野田氏への期待がそれだけ強かったともいえようか。

 これにより、野田新政権も方向性としては欧米と同様に財政再建を目指すことになろう。これだけの巨額債務を抱えながら日本だけが財政再建から距離を置くことはむしろできないはずであり、賢明な選択ではなかったかと思う。

 その欧州における財政再建についても、あらたな動きが出ている。26日にスペインの2大政党は財政規律の原則を憲法で規定することで合意した。来年中に憲法を改正し、2020年以降の財政赤字上限をGDP比0.4%以内に設定する。

 2012年に憲法を改正し、2020年以降は中央政府の赤字をGDP比0.26%、地方政府の赤字をGDP比0.14%以内とすることを規定する。これに年金財政の赤字などを加えた公的な赤字全体をGDP比0.4%以内に設定する。

 これは与党である社会労働党が提案し、これに野党である国民党が同意したことで、もし仮に11月のスペインの総選挙で政権交代が起きても憲法改正は実現するとみられている(以上、日経新聞ネット版より一部引用)

 スペインの財政赤字は2009年でGDP比11.1%、2010年で同9.2%、今年は同6%程度に縮小する見込みではあるが、欧州の信用不安はギリシャ・ポルトガルから、スペイン・イタリアに飛び火し、国債の利回りが上昇している。このため、市場の不安心理を沈めるとともに、ECBによる買い入れなどの支援も出ており、積極的に財政再建に向けた姿勢を示さざるを得なかったものとみられる。

 16日のフランスとドイツの首脳会談で、ユーロ圏各国政府に財政赤字の上限を法で規定するよう求めていたが、まずこれにスペインが応えた格好となった。ドイツはすでに上限を憲法で規定しており、フランスでも憲法改正に向けた議論が進んでいるようである。

 これに対し、イタリア政府は2013年の財政均衡化を目指す財政改革計画をめぐり、当初案に盛り込まれていた高所得者層に対する増税を撤廃し、地方政府への支出削減幅を縮小すると明らかにしたとのニュースが流れてきた。

 どうやらイタリアでは財政改革を巡り、反発の声が強まり、政権内の亀裂も深まるなど、日本での増税論議と同様の事態を招いているようである。このイタリアとスペインの財政再建に向けた取り組みの温度差を市場がどのように反応するのか、注目しておく必要もありそうである。


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by nihonkokusai | 2011-08-31 08:28 | 国債 | Comments(0)
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