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民主党代表選による日本国債への悪影響

 民主党の代表選挙は27日に告示、29日午前の両院議員総会で投開票することが内定し、その結果、30日に菅内閣は総辞職し新首相が誕生する見込みである。

 この代表選には野田財務相、そして前原前外務相が出馬する意向と伝えられている。また、海江田経済産業相も出馬への意欲を表明し、さらに馬淵澄夫前国土交通相、樽床伸二元国対委員長、小沢鋭仁元環境相、鹿野道彦農相なども意欲を示している。

 市場関係者は野田氏が最も次期首相にふさわしいとの認識が、アンケート調査などからも示されているものの、その野田氏は18日の千葉市での講演で、震災復興財源となる臨時増税の実施時期について柔軟に対応する意向を示すなど、増税反対派に配慮するような姿勢を示した。

 財政規律派の野田氏が首相となれば、債券市場には波風は立たないと思うものの、その野田氏がなったとしても財政再建の動きが後退する可能性が出てきた。

 出馬に意欲を示す候補者のよる国債に関する発言を確認してみると、6月に前原誠司前外相から、どういう形であれ国債の引き受けを行うようなことをもう少しやってもいいのではないかと、インタビューで語っていた。

 7月には馬淵澄夫前首相補佐官が通信社とのインタビューで、復興財源として発行する国債を日銀が引き受け、量的緩和策を導入すべきとの考えを示した。

 海江田経済産業相は22日のニッポン放送の番組で、復興債の発行にあたり、利子が付かない代わりに相続税を軽減する無利子国債を検討する考えを示した。海江田氏は以前より無利子国債発行を唱えるとともに、日銀法改正などを検討していいのではと指摘している。

 小沢鋭仁氏はデフレ脱却議連特別顧問だそうで、日銀による国債引受を支持しているいわゆるリフレ派と呼ばれる一人である。

 樽床伸二氏も21日の茅ヶ崎市でのあいさつでインフレターゲット政策の導入を検討すべきだとの考えを示すなど、海江田などの意見に近いようである。

 最終的には代表選の立候補者はある程度絞られると思うが、野田氏と前原氏、海江田氏あたりを軸に選挙戦を戦うことになると予想される。小沢グループの動向などによっては、財政規律派ではない人物が首相になる可能性が出てきた。

 その際には債券市場に多少なり動揺が走る可能性がある。むろん立場が変われば、日銀による国債引き受けや日銀法改正などが非常にリスクをともなうことも理解されると思うが、その確証はない。少なくとも財政再建にブレーキが掛かることは間違いなさそうである。

 本日、ムーディーズが日本国債をAa2からAa3に引き下げ、見通しは安定的に変更したが、それによる債券市場への影響はこれまでの格下げ時のように、限定的と思われる。ただし、今後は日本国内の大手格付会社が日本国債の格付けを引き下げる可能性もあるため注意も必要になる。

 以前、このコラムでもしもリフレ派が首相になれば、あらためて財政再建の是非が国民の間で問われることになり、むしろねじれた政治がいっきに解消される可能性もないとは言えないと書いたが、それはそれでリスクもたいへん大きなものとなりかねない。

 何かのきっかけで日本国債の信用が疑問視されるようなことになれば、ギリシャのみならずスペイン、イタリアの国債動向を見てもわかるとおり、取り返しの付かない事態に発生しかねない。ファンダメンタルズよりも日本国債へのクレディビリティーに疑問符がついて、それにより国債利回りがイタリアのように6%台を超えるようなことになれば、日本の巨額の債務残高を考えれば、かなり危機的な状況に陥りかねないことは明白である。

 信用は移ろいやすい。しかも市場で不安心理が増大すれば何が起きるかは、現在の金融市場とそれに影響を受けた各国政府の状況を見てもあきらかである。日本発の信用不安は絶対ないとは言い切れないため、起こしてはならないことを候補者も肝に銘ずるべきである。


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by nihonkokusai | 2011-08-24 08:51 | 国債 | Comments(1)
Commented by 菅左人 at 2011-08-24 12:14 x
民主党の赤いロゴマークが象徴する赤い民主党の代表選であるが故に、
誰が民主党代表になっても最大不幸社会が続く予感がするが、せめて、
バラマキ4Kを民主党の政策から完全に排除できる人物が代表になってもらいたい。
税金による集票策であるバラマキ4Kの推進者である金まみれの小沢一郎が推す議員が代表になるという最悪の事態とならぬことを切望する。

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