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ニクソン・ショックから40年

 1969年1月に成立したニクソン政権はベトナム戦争などの影響で大幅な財政拡大政策をとり、連邦予算は1969年の30億ドルの黒字から、1971年には230億ドルの赤字を出すまでに膨張した。1971年春には猛烈な投機により外国中央銀行にはドルがあふれ、アメリカの金準備は大量に外国に流出することとなる。

 その年の8月15日、リチャード・ニクソン大統領は、テレビとラジオで全米に向けて声明を発表した。主な要点は、税と歳出削減、雇用促進策、価格政策の発動、金ドル交換停止、10%の輸入課徴金の導入などである。このニクソン・ショックから40年が経過した。

 この中で特に注目されたのが「金とドルの交換停止」であった。これによって第二次大戦後の通貨の枠組みであったブレトン・ウッズ体制が崩壊し、為替市場は新たな展開を迎えることになったのである。

 人類の歴史上長く続いた金を中心とした貴金属と通貨の関係が完全に切り離され、通貨は通貨間の相対価値が基準になるという現在に続く変動相場制へと移行することになる。このニクソン大統領による声明は世界に大きなショックを与え、ニクソン・ショックやドル・ショックと呼ばれた。

 ニクソン・ショックの同年12月に、ワシントンのスミソニアン博物館で10か国蔵相会議が開かれた。ニクソン大統領が発表した米国の新経済政策をうけて、通貨に関するいくつかの措置が合意された。これがスミソニアン合意と呼ばれるものである。

 ドルを切り下げ、為替の変動幅を従来の上下1%から暫定的に2.25%に拡大された。円レートは16.88%切り上げられて308円に変更された。しかし、スミソニアン体制でも為替相場は安定せずにドル売りは止まらず、さらに1973年には第4次中東戦争の勃発による原油価格の急騰によるいわゆるオイル・ショックによるインフレ圧力も追い討ちをかける格好となる。

 アメリカやイギリスの国際収支は改善されず、イギリスをはじめ各国がスミソニアン体制を放棄し、1973年に主要先進国は変動相場制に移行し、スミソニアン体制はわずか2年で崩壊した。

 そのニクソン・ショックから40年が経過した。現在もまた通貨に対する信任が問われ、その裏返しのように、通貨の関係から切り離された金が値上がりをし続けているのはなんとも皮肉なことである。

 そして、通貨と同様の信用力を持つ国債に対する信任が現在、最大の注目材料となっている。米国債が格下げされ、欧州の債務問題はフランスまで及ぼうとしている。日本の政府債務は1000兆円に達しようかとしている。

 国の債務問題はそれぞれの国の問題ではあるが、金融経済がグローバルに結びついている以上、自国内と問題と片付けられない面もある。さらに、現在は米国にしろ日本にしろ政治そのものが、ねじれ現象を起こしているため、債務問題の解決をより難しくさせている。

 通貨制度を根本から揺るがしたニクソン・ショックから40年経過し、あらためてこの40年間の金融市場の動きを振り返り、その上で、今後の対策を練ることも必要かと思われる。


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by nihonkokusai | 2011-08-16 08:22 | 国際情勢 | Comments(0)
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