牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

赤字国債発行法案の成立の目処が立ったあとの懸念

 民主、自民、公明の3党が民主党の主要政策見直しで合意する見通しとなり、赤字国債発行法案の今国会成立が確定的となった。これにより債券市場にとり、ひとつの懸念が払拭される格好となる。

 今回の合意については、米国での債務上限引き上げを巡るごたごたで世界の金融市場を動揺させた面もあったことで、それを踏まえ責任を負いたくないという思惑も手伝って歩み寄った側面もある。

 もしも今国会で成立しないようなことがあると、政府の資金繰りに支障をきたすばかりでなく、今後の国債発行スケジュールにも大きな影響を与える可能性があったが、その懸念はなくなる。

 米国はぎりぎりのところでデフォルトを回避したが、日本はそれに比べれば、まだ若干の余裕はあったとはいえ、すでに今年度入りして4か月以上も経過してもなお、赤字国債発行法案が成立しなかったことで、財務省はかなり資金のやりくりに配慮しなければならなかった。余計な負担もかかっていたとみられることもあり、今後、赤字国債発行法案を政争の具にすることは今後、控えていただきたい。

 ところで、赤字国債発行法案の成立の目処が立ったとなれば、いよいよ菅総理の辞任の条件がまたひとつ揃うこととなる。このため、菅首相の月内退陣論が強まりつつある。

 財政規律を意識している野田氏が菅総理の後継になれば、日本国債に対する信用も維持されるとみられるものの、反増税派の人物、しかも日銀による国債引き受けを主張しているような人物が首相となり、本当に日銀に国債を引き受けさせるような事態が発生した際には、日本国債への信任が維持できるかどうかは甚だ疑問となる。

 もちろん立場が変われば状況も変わるであろうから、事前にいくら日銀による国債引き受けを主張したとしても、財政や国債の問題を現場で直接向き合えば、何かできて何ができず、何をしてはいけないかは理解できるはずである。

 たとえばインフレターゲットを持論としていたバーナンキ教授がFRB議長となり、現場の総責任者となった際、持論を封じ込めたのは何故なのか。それは現場に直接、携わったからである。

 しかし、次期首相となる人物がそれでも自らの主張を変えることなく、日銀に財政ファイナンスをさせるようなことをすれば、日銀と政府との対立は避けられず、日本国債の信任低下を招き、その結果、日本発の金融危機を招く危険性すらありうる。

 民主党代表選の争点は、増税か反増税かとなる可能性が高そうだが、それとともに国債を日銀に引き受けさせようとしているのかどうかにも、注目してみておく必要がある。現在、世界中の国債が注目されている中にあり、市場もかなり神経質になっているだけに、なおさら注意する必要がある。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-08-11 08:22 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー