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日本ではティー・パーティーは開かれないのか

 米連邦債務の法定上限引き上げをめぐる協議が難航している要因として、ティー・パーティーの存在があげられている。

 ベイナー下院議長が出した案に対して、下院共和党保守派のリーダーのジム・ジョーダン議員が、党内の十分な支持が集まらず成立は困難との見方を明らかにした。このジョーダン議員は下院共和党議員240名のうち178人が所属するというグループのリーダーであり、このグループには昨年秋の中間選挙に旋風を巻き起こしたティー・パーティ(茶会)の支援で当選した90人近い新人の多くが参加している。つまり、このティー・パーティの圧力が、共和党での不協和音を作り出しているといえる。

 この茶会運動は政治とは関係ないところが発端となった。昨年2月に米CNBCのリポーター、リック・サンテリ氏が、シカゴ・マーカンタイル取引所のフロアからの実況中継中に、「オバマ政権が住宅ローンの救済までするのは間違っている。政府に反対する現代版ティー・パーティを開こうじゃないか」と発言したことに共感が集まり、それがひとつの政治運動化していったのである。

 ティー・パーティは茶会党とも訳されるが、もちろん党ではない。あくまで小さな政府を志向し、増税に反対を主張する人たちの集まりといえる。しかし、それが昨年秋の中間選挙に大きな影響を与え、ティー・パーティの支援を受けた議員が大量に出現したことで、米国の政治そのものにも影響を与え、今回の債務上限の引き上げ問題に対してもその影響が及んでいる。

 もともとのティー・パーティとは、米国の独立戦争につながった「ボストン茶会事件」に由来するものである。ボストン茶会事件とは、米国が植民地だった1773年に、英国による広範囲に及ぶ課税に強く反発していたボストン市民が、港に停泊中のイギリス船に侵入し、イギリス東インド会社の船荷の紅茶箱をボストン湾に投棄した事件であり、アメリカ独立革命の象徴的事件の一つである。

 新たなティー・パーティは、サンテリ氏の発言を聞いて、オバマ政権の景気刺激策や医療保険制度改革に不満を持つ保守系市民が茶会党を企画したもので、ウェブサイトやインターネットやソーシャルネットワーキング・ツールを活用し、瞬く間に全米各地に広がった。昨年の中間選挙では、茶会党の支持を受けた共和党候補が次々に当選を決め、米国の共和党内における中心的勢力となりつつある。

 インターネットやソーシャルネットワーキング・ツールを活用した市民運動は米国ばかりでなく、チュニジアで起こったジャスミン革命なども同様である。しかし、インターネットが発達している日本では、このような動きは表立っては見えてこない。

 しかし、現在の政権に対する不満はかなり高まっていることも確かであり、福島原発事故により市民の不安は増加していよう。また、政府債務は増え続けており、それに対して問題解決の糸口すら見出せていない。

 これはきっかけ次第では、日本でも米国のティー・パーティのような動きが出てくる可能性もありうる。いや、むしろそういった動きも必要なのではなかろうか。このままでは日本の将来に対する不安は募るばかりであり、現在の政治のシステムでは問題解決はできないとなれば、あらたなムーブメントが必要なのではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2011-07-31 09:58 | 国債 | Comments(0)
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