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債券や国債に対する認知度

 ある程度、専門に特化してしまうとその仲間内では通じることも、外部の人が聞くと何を言っているのかわからないことがある。福島原発の事故による放射性物質の拡散についても、たとえばマイクロシーベルトといった専門用語が何を示しているのかすらさえ当初はわからないような状況にあった。

 専門用語は専門家が理解できれば通常は済むものである。専門外の人はよほどの好奇心からか、もしくは何かの必要に迫られでもしなければ、その専門知識は必要にはならない。

 それぞれの分野に精通してそれを解説する専門家が存在する。債券関係で言えば、ストラテジスト、アナリスト、エコノミストと言われる人たちであるが、その解説する対象は一般向けというよりも、その専門家向けである。

 専門分野を必要に応じて一般向けに解説しているのは、これらの専門家の話を聞いて伝えるマスコミとなるが、よほど世間で騒がれるようなことがない限り、専門的な話をマスコミが取り上げることはない。

 つまり、たとえば金融市場にあって、世間一般が注目する株式市場や外為市場の動きは、それなりに解説されることはあっても、債券や国債については原発事故前の原子力関係の知識のように、世間一般からはあまり関心をもたれるものではない。

 特に債券に関しては、その市場が存在していることすらあまり認知されていないように思われる。日本国債が暴落するとか、格下げで海外投資家が国債を売ると漠然と考えていても、それがどこでどのように売られるのかを具体的にイメージしているわけではないのではなかろうか。

 海外投資家といってもいったい誰なのか。そもそも国債暴落とはどのようなことを指すのか。それ以前に、どのような理由で国債価格が上げ下げしているのか、それすら理解せずに、国債は全く問題がないとか、国債は危険だとかを、あまり市場そのものを知らない人たちが騒ぎ立てていることも多い。

 国債のリスクも原発のリスクも、それぞれ極論が先走ってしまっている感もあるが、それを一番良く理解しているのは現場にいる人達のはずである。債券についても市場の動き、またそのリスクを一番理解しているのは、日々その売買に携わっている人たちであろう。

 現在は確かに世間一般からの債券や国債に対する認知度は低いと思う。しかし、原発のリスクが福島原発の事故で明らかになり、また国の財政に対するリスクがギリシャ・ショックなどで明らかになるなど、いずれ日本国債のリスクが何かのきっかけで顕在化する可能性がある。

 それに備えておくためには、ある程度、基礎的な債券市場そのものの知識も得て置く必要もあるのではなかろうか。デフレ解消のために国債をどんどん発行して日銀に引受させてでも、物価を上昇させれば日本経済は回復すると説く人たちがいる。しかし、その人達には巨額の国債を発行するためにどれだけ神経が使われているのか。何故、それが安定消化されているのか、そういった根本的な理解が欠如していると思う。そのような意見に惑わされず、冷静な見方をするためにも、世間一般における債券や国債に対する認知度を少しでも高められればと思っている。


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by nihonkokusai | 2011-07-13 11:22 | 国債 | Comments(0)
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