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日本国債の買い手

 6月17日に発表された資金循環統計(速報)(1~3月期)のデータから日本国債の保有者の内訳がわかる。

 日本国債の最大の保有者は、銀行など民間預金取扱機関である。ここにはゆうちょ銀行も含まれるが、286兆3280億円となり、全体に占めるシェアは39.4%とほぼ4割を占める。

 民間の保険・年金にはかんぽ生命も含まれるが、175兆3205億円となり、全体に占めるシェアは24.1%となり、全体の四分の一を占める。

 そして、公的年金は73兆8854億円となり、シェアは10.2%である。また、投信など金融仲介機関も35兆9482億円と4.9%のシェアとなっている。

 個人向け国債などを購入している個人は、家計として集計されており、31兆1209億円で4.3%のシェアとなっている。

 このように銀行・保険・年金、さらに投信等や家計で、日本国債の83.0%と8割近くを占めており、個人の資金が預金や保険料、年金積立、投信などを通じ、さらに個人け国債などを通じて直接に国債投資に向かっており、日本国債を支える構図となっている。

 この中でも大きなシェアを占めているのが、銀行と生命保険会社といえる。7月2日付けの日経新聞によると、日銀調べで国内民間銀行の国債保有残高は4月末に前年同月比16%増の約158兆7791億円となった。5年前の約100兆6700億円に比べて58%増、さらに10年前の79兆3740億円に比べて約2倍となっている。

 保有額を大きく増加させたのはいわゆるメガバンクであり、この理由としては預金の振り向け先が見当たらないためである。預金がどれだけ貸し出しに回ったのかをみる預貸率は3月末で71%と過去最低となった。さらにバーゼル3など銀行に対する規制強化の動きも影響している。

 こういった動きは銀行ばかりでなく、生保も同様であり、7月8日付けの日経新聞では今年3月末の生命保険会社の運用資産に占める国債の比率は41.3%となり、5年連続で過去最高を更新した。これと対照的に1980年代まで5割を超えていた融資比率は13.7%と過去最低水準となっているのである。

 生命保険協会によると、国内で営業する生保47社の運用資産は3月末で313兆円で、そのうち国債が132兆円となっている。生保も銀行と同様にその他の資産での運用が難しくなっている上に財務の健全性を示すソルベンシーマージン比率の算定基準が2012年3月期から厳しくなることも影響している。

 この動きは当面続くものと予想される。リーマン・ショックなどを受けての金融機関への規制強化や財務の健全性は今後も求められるとみられる上、今後も貸し出しが大きく伸びることは期待しづらい。

 今後の国債需給だけを考えれば、これは国債の安定消化につながるものではある。しかし、それは日本全体でみればデフレ圧力の強まりや景気の低迷が背景となるため、決してプラス要因ではない。この状況は何らかのかたちで打破しなければいけないが、その際には国債の新たな買い手を探すことも必要となろう。


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by nihonkokusai | 2011-07-11 08:20 | 国債 | Comments(0)
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