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9月以降、政府機関の一時封鎖の可能性

 報道によると、赤字国債の発行に必要な特例公債法案がこのまま成立しなければ、早ければ10月中に財源の裏付けのある約48兆円分の予算を使い切ってしまうとの見通しを、政府がまとめたそうである。政府の見通しによると、現在のペースでは、執行額が早ければ10月中、遅くとも11月中に税収と税外収入で確保できる48兆4千億円分に達するとしている。

 野田財務相によると、第2四半期の支出見込み額を含む9月末の累積支出見込み額は約46.7兆円。このうち、建設公債を財源とする事業の執行分を除くと9月末の支出見込み額は約42.2兆円となる。10月の支出額は例年5兆円~6兆円とみられ10月末で48兆円程度となることが予想される。

 他方、歳入面では、特例公債法が成立しなければ、第一次補正後予算総額から特例公債発行額を除く55.7兆円しか確保できず、建設公債発行額7.3兆円を除く48.4兆円が歳出の許容額となる。

 この結果、野田財務相は「早ければ10月中、遅くとも11月中には建設公債を財源とする事業を除く累積の支出額が48.4兆円に到達する見込みだ」との見通しを示し、今会期内に特例公債法が成立しない事態になれば、9月以降、円滑な予算執行が困難になると訴えた(以上、ロイター等)。

 ちなみに「平成23年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」によると特例公債法は特例公債の発行と、特別会計からの繰入れ等のその他特例的な歳入措置の根拠となるものとなり、平成23年度予算では一般会計予算92.4兆円のうち40.7兆円(このうち特例国債は38.2兆円)がカバーされる。

 すでに新年度入りして3か月以上が経過しており、いろいろとやり繰りした結果、10月あたりまではなんとかなるものの、その先については見通しが立たない状態にある。このため、それ以降の予算執行が停止するだけでなく、9月以降の執行を抑制せざるを得ない状況となるようである。つまり今国会の会期末(8月31日)までに成立しない場合には、いずれ政府機関の一時封鎖(シャットダウン)の可能性すら出てくる。

 民主党の岡田克也幹事長は3日にテレビで、特例公債法案について「できれば11年度第2次補正予算案の審議の前に成立させてほしい」と述べ、野党側に協力を求めたそうである。これに対し、自民党の石原伸晃幹事長は子ども手当に所得制限を設け、民主党のマニフェストはできないと謝るべきだと主張するなど、まだ与野党間の隔たりがある。

 米国でも債務上限引き上げを巡り与野党の攻防が続いており、米財務省は債務上限を引き上げなければ8月2日に同国の債務の履行が不可能になるとの見通しを示している。こちらもぎりぎりの攻防が続いているが、現在のところ日米ともに予算執行のための財源確保ができない状態にある。

 財源確保ができなくなるという異常事態はなんとしても回避すべきであり、もし政府機関の一時封鎖(シャットダウン)などという事態が起きれば、国民生活にも支障が出るだけでなく日本国債への信用そのものに影響する可能性がある。

 日米ともにさすがに最悪の事態は回避させるべく、最終的な落ち着きどころを探る展開が続きそうだが、それぞれタイムリミットも近づいている。日本では震災復興については待ったなしの状況にもある。ねじれ国会により、もし予算執行を妨げるとなれば、与野党ともに責任を負うこととなる。特例公債法案は政争の具にされているが、それが政争の愚とならぬよう、早期に成立をはかるべきである。


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by nihonkokusai | 2011-07-06 13:13 | 国債 | Comments(0)
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