「ほっ」と。キャンペーン

牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

長期金利低下の流れに変化

 先週末の時点では、ギリシャの債務問題や米国経済に対する減速懸念を背景に、米国やドイツの長期金利の低下に歩調をあわせる格好で日本の長期金利もじりじりと1%に向けて低下するのではないかとみていたが、少し様相が変わりつつある。

 先週末には2.8%台にあった米長期金利は1日に3.22%近辺まで上昇しており、ドイツ連邦債利回りも同様に2.8%台から3%台に上昇している。これにより4月上旬から始まった米国やドイツの長期金利の低下トレンドにブレーキが掛かった格好になった。

 29日にギリシャ議会は緊縮財政案を可決したのに続き、30日には実施方法を定めた関連法案が可決された。これによりEUとIMFから第5弾の融資として120億ユーロを受け取る条件が満たされたことになり、ギリシャのデフォルトは一旦、回避されることになる。

 ギリシャがデフォルトとなった場合の影響を考えれば、質への逃避として米債やドイツ連邦債などに資金が向かわざるを得ない面もあったが、それが回避されるとなればその反動が入ることは避けられない。

 また、米国経済に対する減速懸念についても、経済指標によっては、30日に発表された6月のシカゴ地区の製造業景況指数や1日に発表された6月のISM製造業部門景気指数がそれぞれ予想外の上昇となるなど、良い指標も見受けられることで、あまり悲観的に見過ぎることもリスクが伴うことになる。

 このように、欧米の長期金利の低下要因が剥落しつつある中、あらためて米国での法定債務上限の引き上げ問題や、QE2の終了による米国債需給への影響がクローズアップされてくる可能性も出てきた。

 米国での法定債務上限の引き上げ問題に絡んで、ガイトナー米財務長官が辞任観測が出ている。米債務上限の引き上げを巡っては、オバマ米大統領や上院民主党議員が一時的な引き上げ案を検討との観測もあるが、債務上限引き上げと財政赤字削減で合意した際にガイトナー長官は辞任する可能性があることを関係者が指摘している。法定債務上限の引き上げ問題が解決すれば大きな不透明要因が後退することになるが、それによりガイトナー米財務長官が辞任となればあらたな不透明要因ともなりうる。

 さらにQE2後の米国債の需給についても、これまではあまり問題視はされてこなかったが、相場の地合いが悪化すれば意識されることも考えられ、不安要因となる可能性もある。現実に大口の買い手がいなくなる影響は大きいはずである。

 以上は特に米国債を中心としての不安要因であるが、国内に目を向けてもいくつか不安要因が存在する。30日に決定された社会保障と税の一体改革も消費税の引き上げ時期は明記されず、それよりも閣議決定もできないような状況にあるなど、今後の財政再建に向けた動きは不透明であることが、日本国債の足枷となる可能性がある。

 もちろん首相の居座りにより、第2次補正予算や公債特例法案の行方がまったくわからなくなっている点にも注意すべきである。

 米国やドイツ、そして日本の債券市場は一時的な調整局面を迎えただけなのか、それとも大きな流れに変化が生じるのか、それについては今後の動きをもう少し見定める必要がありそうである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-07-02 09:55 | 債券市場 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー