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QE2は予定通りに終了、日本は運用部ショックの亡霊も

 QE2と呼ばれた、FRBによる2010年11月から2011年6月までの8か月間に渡り実施された6000億ドルの市場からの国債購入計画は、予定通り今月末で終了する。ちなみにQE2とは「Quantitative Easing 2」、つまり量的緩和策パート2ということであるが、バーナンキFRB議長などはQE2との表現は使っていない。

 QE2の功罪についてはいろいろと指摘がある。米国の株価上昇や長期金利の低下を招く要因となった可能性があるとともに、市場に溢れたドル資金が新興国市場などに流れて資産バブルやインフレを誘発したとの指摘もある。

 QE2によりFRBはこの時期に新規で発行された米国債の7割近くを購入するという最大の投資家となっていた。ちなみに日本での今年度の新規国債の発行額は44.3兆円だが、日銀は毎月1.8兆円ずつ国債を買い入れており、年間に直すと21.6兆円とその5割近くを市場を通じて購入している。これ以外に基金オペを通じて長期国債(1~2年)を2011年6月末に向けて都合2兆円程度買入れる予定となっている。

 今回のFOMCの声明文によると「保有証券の償還元本を再投資する既存方針を維持する」としており、FRBが保有する証券の規模は維持される見込みである。それでも大口買い手の存在がなくなるのは市場にも影響が出ても不思議はない。

 しかし、米国債券市場を見る限り、10年債利回りは3%割れを維持するなど高値圏での推移が続いており、需給悪化が意識されているような様子もない。市場ではQE3への期待も一部にあったが、その期待感でここまで買い進まれていたわけでもないため、QE2終了を織り込んだ上での現在の相場であると考えられる。

 日本では1998年末に、当時の国債の最大の買入れ主体でもあった大蔵省(当時)の資金運用部による国債買入れが停止されるとの報道をきっかけに国債価格が急落するという、運用部ショックがあった。これはまさに不意打ちの格好であったことで、市場参加者による不安が高まったことが国債価格下落の最大の要因であった。

 この運用部ショックを経験していただけに、それ以降、たとえば日銀による国債買入れの金額を減額するようなことは難しいとの見方も強まった。現実に量的緩和導入後、日銀による国債の買入れは、増額はあっても減額されたことはなく、福井前総裁は量的緩和を進めても、国債買入れには手をつけていなかったぐらいである。

 ただし、今回のQE2の終了により米国債市場にあまり影響が出ないとなれば、日銀による国債買入れの減額もそれほど市場にインパクトを与えない可能性もある。もちろん現時点で日銀による国債買入れの減額を想定できる状況にはないが、将来、いずれかの時点でそのような環境にならないとも限らない。その意味でもQE2終了後の米国債券市場動向に注目する必要がありそうである。


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by nihonkokusai | 2011-06-24 08:35 | 国債 | Comments(0)
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