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3次補正財源に2兆円のバッファー

 6月20日に財務省で開かれた国債市場特別参加者会合(第38回)の議事要旨によると、財務省から第2次補正予算に関して次のような説明があった。

 「平成23年度第2次補正予算については、当面の復旧対策に万全を期すため、原発事故の賠償関係や二重ローン問題対策等に限定し、7月中のできるだけ早い時期に国会へ提出できるよう作業を進めている。」

 「その財源については、平成22年度決算剰余金等の既存の財源により賄い、国債発行には依存しない方針である。」

 「なお、平成22年度特例公債については、本年4月以降の出納整理期間中に2兆円の発行を予定していたが、税収動向・歳出不用等の状況を踏まえ、その発行をとりやめたところであり、今年度中に発行する前倒債の増加要因となる。」

 この中で最後の部分に注目していただきたい。平成22年度、つまり昨年度の特例国債(赤字国債)については、出納整理期間中に発行を予定していた2兆円の発行を、税収の上振れ等によりとりやめたそうである。それは平成23年度、つまり今年度に発行される前倒債が増加されることになる。

 以前にも出納整理期間内発行と前倒し発行について説明をしたことがあったが、再度確認してみたい。

 国債発行については年度ベースとは言え12か月が基準になっていない点に注意しなければならない。前後3か月も加えて18か月で見ておく必要がある。国債には「出納整理期間内発行」と「前倒し発行」が絡んでいるためである。

 「特例国債(赤字国債)」の発行にあたり、国会の議決を経た範囲内で、税収等の実績に応じ発行額を極力抑える必要がある。このため毎年度の税収の収納期限である翌年度の5月末までの税収実績等を勘案して特例国債の発行額を調整するために、特例国債の発行時期を翌年度の6月末までとする「出納整理期間発行」の制度が設けられている。

 さらに、大量の国債発行を円滑に行うために、「借換債」は年度を越えて前年度に前倒して発行ができる前倒し発行が可能となっている。これは翌年度の国債発行額を多少なりとも減額させられるときには借換債を前倒しで発行し、国債の安定消化を図るように調整するためのものである。この前倒し発行額については、毎年度の予算総則であらかじめ国会の議決をうけた限度額の範囲内で発行されている。

 このように昨年度予算における特例国債は今月末まで発行される予定となっていたが、その2兆円分の発行を、税収が予想以上に好調となっていたことでしなくて済むことになった。参考までに現在、政争の具と化している特例公債法案は今年度の分であるため、当然ではあるが昨年度の特例公債法において発行される分には影響しない。

 ただし、これにより今年度の国債発行額がそのまま減額されるのではなく、その分は今年度に発行する借換債の前倒し債に置き換わる格好になる。参考までに借換債は発行限度額などについて国会の議決を受けることはないため、やはり今年度の特例公債法案等の成立には影響を受けることはない。

 そしてこの2兆円の分は今後予定される第3次補正予算の財源分ともなりうる。10兆円以上と想定される第3次補正予算に絡んだ財源としての国債増発分のうち、新たに2兆円分のバッファーができることになるのである。

 参考までに昨年度中に発行した今年度分の前倒し債は16兆9194億円である。また、今年度の国債発行計画(一次補正後)に盛り込んでいる前倒し債発行減額による調整分は8兆3893億円となっている。


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by nihonkokusai | 2011-06-22 08:50 | 国債 | Comments(0)
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