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補正予算の財源問題

 第2次補正予算は1.5次的な補正予算の位置づけとなり、規模は2兆円程度と小規模となる見通しで、財源については税収の上振れなどによる1.4兆円程度の2010年度決算剰余金を全額充てることで、赤字国債や建設国債は増発しない方針のようである。

 ただし、決算剰余金は財政法6条で、2分の1以上を国債などの償還財源に充てることが決まっている。(財政法 第6条 各会計年度において歳入歳出の決算上剰余を生じた場合においては、当該剰余金のうち、2分の1を下らない金額は、他の法律によるものの外、これを剰余金を生じた年度の翌翌年度までに、公債又は借入金の償還財源に充てなければならない。)

 剰余金を全額繰り入れるには特例法を制定する必要がある。つまり、決算剰余金を財源として活用するためには、特例公債法案と同様の特例法を国会で通す必要がある。

 15日に民主と自民そして公明3党が幹事長会談を開いたが、そこでは特例公債法案の成立へ向け、政調会長レベルの協議を始めることで合意とも伝えられている。もし、2次補正予算を成立させその財源も確保するには、今年度の特例公債法案も同時に成立させなければ理屈に合わない。

 そして、今後予想される3次補正については10兆円以上の国費が必要にされると予想されている。震災による復旧、復興のための国費部分は15~20兆円規模が想定されているが、1次補正が4兆円、2次補正が2兆円規模であり、これを差し引いてもざっくりと10兆円から15兆円規模となることが予想される。

 この財源については臨時国債を発行し、所得、法人、消費税の基幹税を増税して償還するよう求める復興構想会議で提言がなされている。この臨時国債は復興国債とも呼ばれるものであり、通常の国債とは別のものとして発行されるものとなる。

 1995年の阪神淡路大震災の際には10兆円近くの被害を受け、3回の補正予算が組まれ、支出総額は3兆2298億円に上っていた。この際には、8106億円の震災特例公債が発行され、3兆3337億円の減税特例公債も発行している。

 この前の時期では、経済成長が持続しこの時期、一般歳出は抑制され続け財政再建策が取られていたことで、財政状況は大きく改善した結果、1990年度には特例国債依存から脱却し、1990年度から1993年度まで特例国債の発行停止が続いていた。このため、ある意味、現在に比べて財政の余裕はあったとも言える。ただし、これをきっかけに特例国債の発行が再開されたことも確かであった。

 しかし、今回発行が見込まれる復興国債については、規模も大きいことからそれなりに市場への影響も大きくなることが想定される。ただし、実際の市中消化額は前倒し債の取り崩しによる発行余力分もあるため、それほど大きくはならないであろうとも予想される。いずれにせよ、早めに今年度の特例公債法案を国会で通し、2次補正の財源問題もクリアーにしておかないと先には進めない。これらがあまり先送りされてしまうと年度末に向けての国債発行額が予想以上に大きくなってしまう懸念も生じる。


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by nihonkokusai | 2011-06-17 08:43 | 国債 | Comments(0)
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