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日銀の新たな貸付と景気判断

 日銀は14日の金融政策決定会合で出資や動産・債権担保融資など、不動産担保や人的保証に依存しないABLと呼ばれる融資を対象に、5000億円を上限として、年0.1%の金利で原則2年とし1回の借り換えを可能とした最長4年の貸し付けを行う新しい枠組みを決定した。

 日銀は昨年3月から、成長分野への投資促進に向け、民間金融機関に政策金利の0.1%で貸付期間原則1年とし、貸付総額の残高上限は3兆円として資金を貸し出す「成長基盤強化を支援するための資金供給」制度を導入した。これまでに計4回実施され、すでに総貸付残高は約2兆9424億円と上限の3兆円にほぼ達している。

 この資金供給は、金融機関の自主的な取り組みを進めるうえでの「呼び水」としての役割を果たしてきているが、成長基盤強化に向けた企業の取り組みをさらに後押しして行く観点から、資本性資金の供給や従来型の担保・保証に依存しない融資に着目し、今後これを支援していくことが適当と考え、あらたな貸付枠を設定することにしたようである(白川総裁会見より)。

 白川総裁は、成長基盤強化を支援するための資金供給の上限を引き上げなかったことについては、「これまでやってきた成長基盤強化支援の枠を単純に増額することは、効果と副作用の面からみてそろそろ限界に近づいている」と述べた。

 今回の新たな貸し付け制度もあくまで「呼び水」的な効果が期待されるもので、景気そのものへの影響は限定的であると思われる。ただし、「成長基盤強化を支援するための資金供給」制度を完全に打ち切ることはせず、内容を変えて貸し出しを継続させたものとみられる。

 そして、14日の金融政策決定会合では足元の景気判断を、5月の「わが国の経済は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にある」から、「わが国の経済は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力が続いているが、持ち直しの動きもみられている」と修正されている。

 5月には「震災による供給面の制約を背景に、生産活動は大きく低下している。この結果、輸出が大幅に減少し、また、企業や家計のマインド悪化の影響もあって、国内民間需要も弱い動きとなっている。」とかなり弱気な見方となっていたが、今回は「最近は供給面の制約が和らぎ始め、家計や企業のマインドも幾分改善しつつあるもとで、生産活動や国内民間需要に持ち直しの動きもみられている。」とやや強気の見通しに転じている。

 確かに震災の影響による生産活動の低下はかなり大きなものであったが、自動車を含めて予想以上の回復をしていることも確かであり、特定の産業への依存度が高い日本経済のリスクがやや軽減したと判断したともみられ、この変更には違和感はない。西村副総裁が4月28日に基金の増額というに独自議案を出しながら、その後、引っ込めたのもこういったマインドの変化を意識してのものであろう。

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by nihonkokusai | 2011-06-16 08:19 | 日銀 | Comments(0)
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