牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

バーナンキ議長が語った財政再建策

 バーナンキ米連邦準備理事会議長は、6月7日のアトランタにおける講演の中では、財政問題にも触れていた。

 景気回復には財政問題が制約となるものの、短期的で急激な財政再建策は、脆弱な経済に対して回復を妨げることにもなりかねない。このため、財政問題に関しては長期的な問題として認識する必要がある。適切な対応策としては、財政再建に向けた信頼に足る長期的な計画を迅速に実行することだとしている。

 これにより景気回復を損なうような財政収縮を避けることが可能となる。それと同時に、信頼のおける財政再建策は長期的に見て経済を強めることになり、長期金利の低下を導き、消費者や経営者の信頼を得ることで、短期的にも恩恵をもたらすとしている。

 これらの発言は米国だけではなく、日本にもまったく同様のことがあてはまる。日本の財政問題は、いまそこにある危機ではないものの、手遅れにならないうちに適格な対処をしておかなければ、財政の持続性そのものに問題を与えることになりかねない。

 リーマン・ショックによる世界的な経済金融危機から立ち直りかけた矢先の大震災とそれに伴う原発事故により、日本経済は大きな痛手を受けた。このため、短期的で急激な財政再建策は、脆弱な日本経済に対して回復を妨げることにもなりかねない。

 しかし、だからといって財政再建問題はもう先送りできるような状況にもない。このため政府も、税と社会保障の一体改革を進めようとしている。その内容について切り込みが足りないとの指摘もあろうが、とにかくもこれまで先送りし続けた消費税増税に道筋をつけることは必要であろう。

 もちろん、震災の復旧・復興の最中に増税を行うことには無理がある。しかし、消費税増税にはある程度の期間が必要であり、タイムラグが存在する。実際に増税を行う頃には震災による経済への影響は、かなり後退していることが予想される。

 むしろ、消費税増税を含めた財政再建策により、将来の財政の持続性に関するリスクが多少なり後退すれば、消費者や経営者のマインドに働きかけて、バーナンキ議長の言うように、短期的にも恩恵をもたらす可能性もある。

 何がなんでも増税反対というのならば、それに変わる案を出す必要がある。日銀による国債引受や政府紙幣の発行、また政府保有の米国債の売却などにより巨額の財源を確保し、さらなる積極財政を行うというのであれば、それにより将来に向けて安定した税収増が見込め、財政再建も可能とするような政策を示す必要があろう。

 しかし、単にデフレが解消されれば、すべての問題は解決するというような発想だけでは、あまりに付随するリスクが大きい上に、将来的な財政健全化に向けた努力まで後退させることが考えられる。それによりもし結果が出なければ、日本の債務危機が表面化してくる懸念がある。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-06-09 08:21 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31