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ムーディーズ、日本国債の格付を引下げ見通しに

 格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは31日、日本政府の自国通貨建てと外貨建ての債務格付「Aa2」を引き下げ方向で見直しの対象にしたと発表した。ちなみに4月に格付会社S&Pは日本のアウトルックを「ネガティブ」に変更している。

 報道によると、ムーディーズのシニアバイスプレジデント、トーマス・バーン氏は31日の記者会見で、格付けの見直しは3か月以内に完了するとし、こうした見直しの大半は格下げといった結果につながっていると語り、3か月以内での日本国債の格下げの可能性を示唆した。

 ちなみにS&Pにしろムーディーズにしろ、国債の格付は依頼されているものではなく、勝手につけている勝手格付と呼ばれるものである。しかし、ギリシャなど欧州の債務問題ではこの格付会社の動きが大きな影響を与えるなどしており、関係者のみならずマスコミなども注目している。しかし、日本の場合には市場への影響、特に肝心要の日本国債がこの格付に関する動きでは、ビクともしないため、マスコミ以外での注目度は低いように感じる。

 今回の日本国債の格付見通し変更の理由としては、日本政府が掲げる成長率目標ではプライマリーバランスの赤字解消に十分でないとし、赤字を解消するためには、新たな財政改革が必要となることは必至と指摘していたが、それは今に始まったことではない。むしろ、震災を受けたにもかかわらず、政府は税と社会保障の一体改革に向けた集中検討会議に、消費税の段階的な引き上げを打ち出した報告書を提出するなど、財政再建に向けた動きを進めようとしているぐらいである。

 それにもかかわらず、なぜこのタイミングでムーディーズは見通し変更を発表したのか。穿った見方をすれば、自民党と公明党が菅政権に対する内閣不信任決議案を昨日、提出する方針を固めたことにより、政局が大きなヤマ場を迎えることが予想されるためとも見えなくもない。

 マスコミは自らの報道が、結果として社会に対して大きな反響・影響を及ぼすことは大きな目的ともなっていよう。そして格付会社にとり、適切な格付情報を提供することにより、市場に対して注意を喚起するということは重要であろう。しかし、欧州の国債などの格付変更の際には、その発表のタイミングによっては、格下げそのものが材料となり、市場の警戒心を強めさせ、相場変動を加速させることも多い。つまり火のついている相場に油をかける状態に陥りさせることがある。

 格付会社に向けた批判のようになってしまったが、格付そのものは債券市場にとり大変重要な役割を果たしていることは確かである。それはソブリン格付に関しても言えよう。これまでの日本国債の格下げに関しても、日本の財政状態を広く意識させる意味でも、それなりの役割を果たしている。ただし、格付会社の行動そのものが市場を動かすことも多いことで(除く日本国債)、発表のタイミングについても慎重に選ぶことも重要ではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2011-06-02 08:21 | 国債 | Comments(0)
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