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政局の行方と債券相場

 自民党と公明党は菅政権に対する内閣不信任決議案を今日にも提出する方針を固めたことにより、政局は大きなヤマ場を迎えることになる。

 民主党内では小沢一郎元代表のグループは対決姿勢をさらに強めており、党分裂の可能性も出てきた。対する自民党内でも中堅・若手には早期の不信任案提出に慎重論も多く、一枚岩ではないという。

 不信任案の可決には与党内から、少なくとも81人以上の賛成が必要になる。小沢グループの動向次第では可決される可能性は全くないとは言えない。小沢氏は不信任案に賛成することを示唆するような発言もしている。

 見えないところでの駆け引きも行われていると思われ、政治の世界だけに、どのように転ぶかは予想が難しい。ただし、これにより与党民主党の動向に変化が生じる可能性がある。政局の行方そのものが読みづらく、それによる債券相場への影響も予想が難しい面もあるが、注意すべき点だけを上げておきたい。

 財務省と内閣府は30日に、税と社会保障の一体改革に向けた集中検討会議に、消費税の段階的な引き上げを打ち出した報告書を提出した。政府はこれを参考に税率や増税時期など具体策の検討を進めるとしているが、現時点でも民主党内には増税への反対派も多い。政局が混乱すれば今回もまた消費税増税は絵に描いた餅になってしまう可能性も高い。これはすぐに影響するものではないが、今後の日本の債務持続性に影響を与える可能性がある。

 そして、これは先行きというよりも目下の問題となるが、いまだ成立していない特例公債法案の行方にも影響が出る可能性がある。完全に政争の具とされた感もあり、政局が混迷すればさらに成立が遅れる懸念もある。解散総選挙となればなおさらである。いまのところなんとか8、9月、場合によれば11月あたりまではやり繰り可能とみられているが、早期に成立させないと、いずれ政府の資金繰りに支障も出る。それをきっかけに日本国債への信認が低下するようなことになれば、大きな問題が発生する。

 東電の処理に関しても先行き不透明となっていることで、東電債などに影響を与える可能性がある。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは30日に東電の長期会社格付けを「B+(シングルBプラス)」に5段階引き下げ、長期優先債券格付けは2段階引き下げ「BB+(ダブルBプラス)」とした。いずれも従来は「BBB(トリプルB)」であった。この格下げの理由として、政府による損害賠償支援の内容や正式決定の時期などが依然として不透明である点も指摘された。

 内閣不信任案の行方、さらに税と社会保障の一体改革に向けた動きなどによっては、日本国債に関する格付に影響が出る可能性もある。実際に昨日、格付会社ムーディーズは日本政府の自国通貨建てと外貨建ての債務格付「Aa2」を引き下げ方向で見直しの対象にしたと発表した。もちろん日本国債が格下げされても、今回も相場そのものへの影響は限定的とみている。

 債券相場は5月6日あたりから債券先物の中心限月で140円50銭から141円のレンジ内での動きが続いている。昨日、発表された鉱工業生産指数は、足元4月の数字は前月比プラス1%となり予想を下回ったが、製造工業生産予測指数は5月が前月比プラス8.0%、6月が同プラス7.7%となっていた。まさにV字型回復となることが予想され、これを受けて昨日の債券先物は直近レンジの上限近辺をいったんつけてから、売りに押され下限を試す展開となっている。

 このレンジ相場はあらたな材料が出ない限りはなかなか抜けだしそうにない。ただし、米債の動向などに加えて、日本の政局の動向がその材料になる可能性もあるだけに、今後の政局の行方にも、注意が必要となりそうである。


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by nihonkokusai | 2011-06-01 10:02 | 債券市場 | Comments(0)
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