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FRBによる出口に向けた工程表

 5月18日に4月26日から27日にかけて開催されたFOMCの議事要旨(Minutes)が発表された。メディアによっては議事録としているところも多いが、会合の約3週間後に発表されるものは日銀が会合の約1か月後に発表する議事要旨に内容が近い。日銀は10年後に精細な内容が記された議事録を発表するが、米国も議事中のジョークまでも含めた議事録(Transcript)を5年後に公表しているため、ここでは5月18日に発表されたものは議事要旨としたい。

 今回のFOMCの議事要旨で特に注目されたのは、いわゆる正常化に向けた出口政策に関するものであった。FRBは2011年6月末まで国債買入れを行うが、それは予定通りに6月末で終了する。その後についても、MBSなどの償還金の再投資を継続し、6月終了時の金融緩和的な規模は維持されることをバーナンキFRB議長は会見で明らかにしている。

 今回の議事要旨にも何人かのメンバーからはインフレリスクの高まりを懸念する声もあったように、いずれ正常化に向けた行動を取ることも想定しておく必要もあるとみられ、それに向けた意見交換があったようである。

 その順序としては、最初に住宅ローン担保証券(MBS)の償還金再投資を停止する。そして、利上げを実施して現在の実質的なゼロ金利政策を解除し、その後買い入れた証券を売却するほうが良いとの意見である。

 これらはあくまでそのような環境が整った場合の話であり、すぐに行動に移るというわけではない。しかし、その手順を話し合いすることができるような状況に米国の経済状況がなりつつあることも確かであろう。

 今回、FOMCで示された手順は、市場への影響を考えれば妥当なものであろう。償還金再投資の停止により、膨らんだFRBの資産規模を少しずつ落とす方向を示す。さらに、経済や物価動向を見ながら、実質的なゼロ金利政策を解除する。これについては日銀のように明確な時間軸は設定させていないことにも注意したい。

 そして、問題となるのはFRBが保有する国債やMBSの売却になるのではないかと思われる。日銀は量的緩和政策などにより国債の買入れ規模を膨らませてきたが、その規模の縮小すら行ったことはない。これは日銀の資金供給に国債買入れがこの規模で必要だからというためというよりも、債券市場に対する影響の大きさが背景にあると考えられる。

 米国での国債需給にFRBの買入れが大きく組み込まれている中にあり、果たしてFRBは買い入れた国債などの売却は本当に可能であるのか。市場需給に大きな影響を与えることなく売却ができるとなれば、これは日銀にとっても大きな参考事例になると思われる。


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by nihonkokusai | 2011-05-20 08:23 | 日銀 | Comments(0)
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