牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

国債を買い支える国内資産の伸びも頭打ち

 日本国債はその95%が国内資金で賄われており、それが大きな強みになっていたが、すでに家計の金融資産が頭打ちになっていることにも注意が必要となる。これまでは国債残存額の増加に合わせるように家計の金融資産も増加していたが、その伸びはすでに鈍化している。

 たとえば、国債の買い手として大きな存在となっていたゆうちょ銀行とかんぽ生命の運用資産は2010年12月末で計289兆円弱と、2009年度末に比べ4.5兆円減少した。このうち国債の保有残高は約215兆円と、こちらは9兆円もの減少となっていた。運用資産に占める国債の割合は2009年度末の76%から74%余りに低下した。

 また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2001年の発足以来、日本国債の最大の買い手だったが、年金受給者の大幅な増加により、保険料収入よりも給付が多くなり2009年度から積立金を取り崩している。取崩額は2009年度が約4兆円、2010年度が6~7兆円程度、そして2011年度は6.4兆円となる計画と4月24日の日経新聞が報じている。2010年度は国内債券などで約4兆円を現金化した。

 生命保険会社なども同様に今後、運用額が大きく増加することは考えづらい。ただし、大手銀行などが預金増とともに景気低迷による貸し出しの減少により、国債の増加分をカバーしてきている。しかし、今後も同様に銀行がカバーできるという保証があるわけではない。今回の震災がこのあたりの構図に影響を及ぼす可能性もある。

 いずれにしても国内資金で賄うにも限度があることは事実であり、その限界は2015年とか2020年あたりにやってくるとの見方も出ている。しかし、これについてはいろいろな前提条件も必要でかなり詳細な分析も必要となり、具体的にいつなのかは測定が難しい面がある。

 たとえば、銀行の貸出や生保や公的年金の外債投資分などを国債に回すとなれば、その分、余裕が生じるのも確かである。しかし、貸し出しを減少させれば当然、景気に悪影響が生じ、それは税収不足の要因にもなる。また、外債投資の抑制、もしくは保有する外債の売却については、1998年末の運用部ショックの経験から、米国政府あたりからの懸念が出て国債問題が国際問題に発展しかねない。

 原油も枯渇すると言われながらまだ潤沢に供給されているように、日本国債も大量に発行され続けていても、いまは安定的に消化されている。しかし、原油も国債を買い支えている国内資産もいつかは枯渇する。

 我々は枯渇後の世界観を漠然と持ちあわせてはいるが、それを具体的に描くことは難しい。代替エネルギーには今回の福島原発事故であらためてリスクの大きさが意識された原発を推進していくほかはないのか。そして、日本国債についてもリスクが大きい日銀引受にいずれ頼らざるを得なくなるのか。そうなる前に手は打つべきであろう。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-04-27 08:18 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー