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日銀による景気や物価の見通し

 日銀は4月28日に公表する「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で2011年度の実質国内総生産(GDP)成長率を1月に発表した中間レビューにおける前年度比プラス1.6%から大幅に下方修正する見通しと伝えられている。

 日銀は4月と10月の年2回、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を作成して足元とともに先行き2年ほどの経済、物価の見通しを公表している。また7月と1月には中間レビューを行っている。

 GDP予想の下方修正は、当然ながら1月には予測しえなかった3月11日の東日本大震災の影響によるもので、サプライチェーンの寸断や電力供給不足に伴う生産低下などが要因である。IMFが先日発表した世界の経済見通しでは、2011年の日本の経済成長率を0.2%ポイント引き下げて1.4%にしているが、日銀は0%台半ばに下方修正する見通しと22日の毎日新聞は報じている。

 ただし、IMFは震災の影響は2~3か月で収まり、その後は年後半にかけて持ち直しとの予想となっているようだが、やはり日銀も来年度にかけて景気は緩やかに回復していくという予測とみられる。14日の白川総裁の講演でも「第3四半期以降、GDP成長率は再びプラスに転じるという見方が民間エコノミストの多数説となっています」と民間の予想を引き合いに出しているが、日銀の予測もそれと大きな隔たりはないのではなかろうか。

 また、消費者物価指数(除く生鮮食品)については、原油価格など国際商品市況の高騰を反映し、1月の中間レビュー時の前年度比プラス0.3%の見通しをさらに引き上げる可能性があるとも報じられた。4月分からは公立高校授業料無料化の影響が剥落して0.5%程度上方にシフトするため、それによるプラス効果が存在しているが、さらに商品市況の上昇を加味しての上方修正される可能性がある。

 ちなみに今年8月には消費者物価指数の基準改定が予定されている。7月に発表される6月分までは2005年基準であるが、8月に発表される7月分からは2010年基準が公表され、5年前の例に倣えば0.4%程度の下方シフトが起きる。しかし、この改定の影響を加味しても2011年度末までにプラス基調が確認できるとの見通しが日銀内にはあるとも伝わっている。

 また、4月には「中長期的な物価安定の理解」についての点検も行われる。昨年4月30日に開催された決定会合の議事要旨には、これについて以下のような議論があったことが記載されている。

「多くの委員は1%程度を中心値として上下0.5%ないし1%の範囲内であるとの見解を示した。一人の委員は0.5%~2%で、中心は1%より幾分上の値との見方を示した。一人の委員は、1%よりゼロ%に近いプラスを中心に考えているとした上で、中心値である1%を過度に強調するのは望ましくないのではないかと述べた」

 ゼロ%に近いプラスを中心に考えているとしたのは、3月末で退任した須田委員ともみられることで、その影響も若干ありそうだが、1%程度を中心値として上下0.5%ないし1%の範囲内との大方の見方には変化はないとみられる。

 いずれにせよ、東日本大震災を受けての今後の景気や物価に関する日銀の見方が28日にはっきりするわけであり、その内容に注目したい。


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by nihonkokusai | 2011-04-22 08:28 | 日銀 | Comments(0)
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