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米国の踏み込んだ財政再建策

 米国のオバマ大統領は、13日に赤字解消に向けた長期計画を発表し、この中で歳出削減と増税を通じて12年以内に累積赤字を4兆ドル削減すると表明した。また、年間の財政赤字を2015年までに対GDP比で2.5%に削減するとの目標を設定した。オバマ政権は、今後5年間に累積赤字が3.8兆ドルに拡大すると予想しており、向こう10年間では7.2兆ドルになるとしている。ちなみに、議会の争点ともなっている米国の連邦政府の債務上限は14.3兆ドルである。

 米国の今年の財政赤字は対JDP比で10.9%と予想されている。IMFの世界各国の財政状況に関する報告書「財政モニター」によると10.8%の予想となっている。これに対して日本では、内閣府に試算によると、2011年度の財政収支は38.8兆円の赤字であり、名目GDP比ではマイナス8.0%となっている。IMFの「財政モニター」での日本の2011年はマイナス9.1%の予想だが、暦年と年度の違いに注意が必要。

 現在取引可能な米国債は9兆1300億ドルに膨れ上がったとみられており、累積赤字の削減は国債発行額の抑制となる。また、国債発行額が削減される見通しとなれば、今年の6月末まで予定されているFRBによる米国債の買入れが停止されても、米国債の需給にはそれほど影響を及ぼさない可能性もある。

 徐々に増加してきた日本の政府債務に対し、米国はリーマン・ショックなどの金融経済危機に対応して、急激に債務を増加させてきた。このため、このような思い切った削減も日本に比べればやりやすいのかもしれない。しかし、今後の動向については注目して見てゆく必要があろう。日本同様にねじれ国会となっており、与野党での財政再建への方法のくい違いなども弊害となってくる可能性がある。15日の日経新聞によると、オバマ案が4兆ドルの削減のうち2兆ドルを歳出削減で、残りは債務削減による金利負担減と増税で1兆円ずつひねり出すものとなっているのに対し、共和党案は5.8兆ドルの歳出削減を目指し、それにより1兆ドルの個人・法人税減税なども同時に行うことで差引4.4兆円の削減を目指すというものになっている。日本と同様に増税の有無がひとつの焦点となっている。

 財政再建に向けて英国や米国が積極的に取り組む姿勢を見せる中、日本では今回の東日本大震災によりさらに財政再建が先延ばしされることになる。過去にも財政再建を進めようとした矢先にいろいろなショックが襲った結果、日本の債務残高は減少するどころか、その増加のスピードをむしろ早める結果となっている。今は政府もそれどころではないであろうが、震災復興後の日本の財政再建にむけた道のりについても、ある程度の青写真は必要なのではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2011-04-15 10:10 | 国債 | Comments(0)
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