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日本の財政事情の再確認

 東日本大震災で編成する第1次補正予算案について、政府は4兆円規模とする方向で調整を進めているが、野田財務大臣は第1次補正予算案の財源については国債の発行に頼らない方針を示している。ただし、菅総理大臣は第2次補正予算案の規模について、かなり大規模なものになるという見通しを示しており、2次補正以降については、ある程度の国債発行が必要になるものと予想される。

 内閣府試算では東日本大震災の被害総額は16兆円~25兆円としており、これに原発事故や電力供給の制約の影響を加味すると被害額はさらに増加する可能性がある。このため、今年度は東日本大震災を受けて、複数回の補正予算が組まれる可能性があり、それにより日本の財政事情も変化してくる可能性がある。それがどのように変化するのを見極めるためにも、補正予算編成前における今年度の日本の財政事情がどのようなものであるのか、あらためて確認しておきたい。

 ここでは財務省のサイトにアップされている「日本の財政関係資料(平成23年度予算 補足資料)」と、内閣府が発表した「経済財政の中長期試算」などを元にして見て行きたい。

 今年度の歳入と歳出を確認すると、税収が40兆9270億円、その他収入が7兆1866億円、そして公債金(新規国債発行額)が44兆2980億円である。すでに2009年度で新規国債発行額が税収を上回ってから、2010年度、そして2011年度も同様の異常事態となっている。

 また、歳出は国債費が21兆5491億円、基礎的財政収支対象経費が70兆8625億円となっている。中期財政フレームでは、「少なくとも前年度当初予算の『基礎的財政収支対象経費』の規模を実質的に上回らない」としており、当初予算では確かに基礎的財政収支対象経費については前年度をわずかながら下回った。ちなみに、基礎的財政収支対象経費とは一般会計歳出のうち、国債費及び決算不足補てん繰戻しを除いたものを指す。

 内閣府に試算によると、2011年度の国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリー・バランス)は27.1兆円の赤字であり名目GDP比ではマイナス5.6%となる。また、財政収支は38.8兆円の赤字であり、名目GDP比ではマイナス8.0%となる。公債等残高は858.1兆円となり、名目GDP比では177.4%になる。

 補正予算の編成により、今年度の一般会計予算規模はさらに大きく膨れ上がることが予想される。税収についても震災の影響により、一時的にせよ大きく落ち込むことが予想され、新規国債の発行増により、財政収支はさらに悪化する可能性がある。震災により未曾有の被害を受けた以上、政府による巨額の財政支出は必要なものであろうが、それにより、かなり悪化している財政が、より一層悪化するであろうことは避けられない。このあたりの影響についても、今後は注視しておく必要があろう。


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by nihonkokusai | 2011-04-12 08:29 | 国債 | Comments(0)
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